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曖昧な海警法 自衛衝突 小口径火力射程での交戦  俊敏な運動性で長時間近距離での接触維持必要 19世紀の海戦の教訓多い。

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 曖昧な海警法でも従来は、基づくべき法律なしに海警局は活動していた。ポジティブ規定どころか、ネガティブ規定ですら存在しなかったのだから、それよりはマシ。 中共が海警法を制定したということは、中共は海警法の土俵で戦うということ。軍艦の戦いは、対艦ミサイルの射程や速度が大きく、艦艇の位置が単純に射程距離の外か内かだけである。 巡視船の武器の射程距離は短い。基本的に公船同士は自衛行動の範囲で交戦する。一方的な被撃沈を避け、領域を主張し続ける必要がある。相互の距離は、なるべく小口径の火力を多数、有効に使える距離での交戦になるだろう。 俊敏な運動性が巡視船には問われる。 水深などの情報を見える化する指揮支援システムが必要近距離で接触を維持する必要から19世紀の海戦の教訓から得るところが多い。  

〇中共の海警法のもたらすもの

 中共が海警法を施行したことは、このブログでもすでに取り上げたし、各方面でも注目されているところである。https://sucanku.xsrv.jp/0000023/413/

 海警法の問題点を大雑把に一言でいうなら、曖昧なことであると思う。それでも従来は、基づくべき法律なしに海警は活動していたのだから、それよりはマシではあるのかもしれない。

 その海警法の曖昧な点の一つは「管轄海域」である。海警法の第3条には「この法律は、中華人民共和国の管轄下の海域(以下、我が国の管轄下の海域)内外で海事権保護および法執行活動を行う海事警察機関に適用される」とある。

 この第3条について通常の理解であれば、内水に始まり、領海、接続水域、排他的経済水域と区分けされ、各国家に認められた領域海域毎の権限があり、それぞれの海域に対応した権限行使をするというなら何も問題はない。

 しかし、中共政府が海域や、海域個々における権限を拡大解釈していると、各国が指摘している現状があり、中共政府が、どこまでどれだけの権限を行使しようとしているのかが分からない。

 次に海警法の第21条には「沿岸警察機関は、私の国の管轄下の海域で私の国の法律および規制に違反する非営利目的で使用される外国の軍用船および外国の政府船を停止するために必要な警告および管理措置を講じる権利を有する。直ちに関連する海域を離れる;離れることを拒否し、深刻な危害や脅威を引き起こす人のために、海事警察は強制立ち退きや強制立ち退きなどの措置を講じる権利を有す。」とあるとおり、第21条では外国の軍艦や公船について触れているが、条文にある措置について、武器の使用可否について言及がなく曖昧である。

 確かに次の第22条には「国の主権、主権の権利および管轄権が海上で外国の組織および個人によって不法に侵害されている場合、または違法な侵害の差し迫った危険に直面している場合、海事警察機関はこれに準拠した措置を含む措置を講じる権利を有する。法律およびその他の関連する法律および規制。侵害を阻止し、危険を排除するために、武器を含むすべての必要な手段を使用する。」とあり、第21条とは別立てで、第22条には武器の使用について言及されているから使い分けているようにも見える。しかし、軍艦などを除くとは直接触れていない。

 法律が出来た分、従来より曖昧さは少なくなったとも言える。しかし、武器の使用についてお墨付きを与えたことも事実だ。

 一般的な国家では、警察に関する規定はポジティブ・リストで規定される。その考えに立てば第21条では、武器を使えず。第22条では使えると読むことができる。 

 何しろ中共は1980年代まで、日本でいうところの六法にあたる基本法令すら整備されていなかった国である。ポジティブどころか、ネガティブ規定ですら存在しなかったのだ。警察すらポジティブ・リストを適用されず、それどころか、毛沢東は人民の道徳感に依存しようとしていたのである。標準的な法解釈が通用するかどうかも分からない。要は、今までも、お墨付きがなくても勝手に武器を使う可能性もいくらでもあったわけである。

 この程、法律を制定したということは、法律上で戦いましょうということである。超限戦に挙げる法戦を本格的に挑んできたということであろう。

 今までも海警が武器を使う可能性はあったが、今後も中共なりの制約を加えつつも、日本の海保との間で交戦が発生する機会は今後もあろう。

〇海保と海警の船

 既に中共の海監や漁政、そして海警といった中共公船が、尖閣に頻繁に来るようになって久しい。海警法が、来航の増減に影響を及ぼすかどうかは分からぬが、尖閣の領有権を主張する以上、当面減ることは考えにくい。

 もし、海保と海警の間で衝突が起きるなら、両者の船の装備を前提として考えなければならない。

 両国とも、これらの公船には大小の船がある。とはいえ尖閣までは双方の港から距離も離れており大型の船が中心になると思われる。

 海保の巡視船については、PLやPLHと呼ばれる総トン数700t以上の大型船であり、最大のものとして、しきしま級が総トン数7175tである。海軍艦艇にも大小様々であるが、尖閣付近まで出て行くとなれば大型の艦が多くなる。軍艦は排水量で大きさを言い表すので一概に比較は難しいが、海保のしきしま級に相当するとなると2千tから3千tになる。現代の軍艦は大型化しており、しきしま級と比べても大型艦になる傾向だろう。

 しきしま級は軍艦構造を採用しているが、巡視船は一般的には商船構造で建造されている。とはいえ、基本的には大きな違いはないだろう。せいぜい防水区画の差ぐらいの違いではないだろうか。商船構造というのは船級協会が定める規格で作られているということである。現代の軍艦は、装甲も無く、むしろ外板は薄い可能性もある。そもそも強度を維持する竜骨やフレームなどの骨組みについてはそれほど違いはない。商船にもよるが、一般的な貨物船などは船倉が並んでいて、断面を見ると同様の構造が船の大部分を占めている。しかし、巡視船は、軍艦同様複雑になっていると思われる。

 一部の例外を除いて巡視船の機関には中速ディーゼルが使用されている。クランク軸からの回転出力をギアを用いて減速している。細部は分からないが、前進と後進の切り替えはあるだろう。もしかしたら前進2段ぐらいにしているかもしれない。

 そのような機関の構成から、速力については20ノット台程度のようであるが、高速域での加速性などは、低速ディーゼルを用いている商船などに比べれば良いのではないだろうか。まあカーフェリーなども中速ディーゼルが多いから特異なものではない。軍艦の場合は戦闘艦なら30ノットを超える場合が多く、動力もガスタービン化している。

 火器は、多くは37㎜や20㎜の機関砲が一般的なようである。いずれにせよ軍艦では防御用に使われる兵装だろう。

 中共海警局の船には、一部に76㎜砲もあるが、他は大きな違いはないだろう。

 以上のことから、海軍艦艇の戦闘とは違った様相になると考えられる。

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