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東芝が水系Li電池世界初開発 発火し難く軍用普及に期待

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(画像はイメージ)


 東芝がマイナス30℃でも運用できる水系リチウムイオン二次電池を世界で初めて開発したと発表した。
 軍事用として電池は古くから使われてきたが、全体から見ると限定されていた。それは電池は重く、また安定した電気を供給できない。 充電にも時間が掛かるし、電力を消耗しても重量は減らないからだ。だからといって戦場で大きく喧しい発電機を常に持ち運ぶというわけにも行かない。
 電力を必要とする装備が増えたことから電源としては制約の大きい電池であっても必要とされるようになってきた。
 それを固体化、デジタル化、集積化、及びスイッチング電源の出現等が電池の使用を助けたこともある。しかし制約を根本的に打開したのはリチウム・イオン電池の出現だった。 このように優れたリチウム・イオン電池ではあるが、依然として欠点も多い。
 電解質が有機溶剤であるから、何かの切っ掛けがあれば破裂や発火につながり易いことだ。火災に対しては全固体電池も期待されているが、水性電解質と、それぞれの特徴を活かした使い分けがされるのかもしれない。まだ、どちらが優位性があるかは答えは出ていない。
 依然、懸念があるとすれば、被弾による絶縁の破壊による感電であり、安全に放電できる仕組みは必要になるだろう。
水性リチウム電池の出現は、電源の小型軽量化に貢献し、軍用装備品への普及に貢献するだろう。

〇東芝が開発


 東芝がマイナス30℃でも運用できる水系リチウムイオン二次電池を世界で初めて開発したと発表した。
「東芝が“燃えない”リチウムイオン電池を新開発、低コスト化の実現も」
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/spv/2011/20/news067.html
 今後、軍事装備品にも電池が大きく普及する契機となるかもしれない。


〇軍用における電池需要増加


 軍事用として電池は古くから使われてきたものの、全体から見ると限定されていたのではないだろうか。
 そもそも電気自体を軍用に使うには様々な問題があったからである。
 電気の利用の歴史は、電池の方が発電機よりも古い。古代メソポタミアに電池ではないかと言われる壺の絵があると言われるが、少なくとも確実に最初のものと言えるのは18世紀末のボルタ電池の発明である。電池に比べ電磁誘導の発見は遅れて19世紀前半になる。
 一般の利用に関して、電池の出現に遅れたにも関わらず、発電所からの送電利用の普及は早かった。なぜなら電池は重く、また安定した電気を供給できなかったからである。
 しかしこれが軍用となると発電所などは破壊され易く、また戦場に送電することも、まして利用するのが移動体ともなればなおさらのこと、送電による電気を使うことは困難となるから、電話などには電池が使われていた。
 さりながら電話のベルをらすような高い電流を発生することは、やはり電池では無理で、ハンドルを回す磁石式が長らく使われていた。
 そのような中で例外的に大量に電池が使われたのは潜水艦だろう。すでに近代的な最初の潜水艦と言われるホランド級に使われている。比較的早くから潜水艦に使われたのは外気の供給に難のある水中という環境故である。
 適当な電源がない中で、小電力なものや特殊な環境で使用するものを除き、やはり電源として使われたのは、内燃機関で作動する発電機であった。
 その後、電気が広く軍用で使われるようになるのは、一つはワーナード方式と呼ばれる艦艇や戦車の変速機構としてであり、もう一つはレーダーなどの電波装備の発展であった。これらはいずれも発電機による給電を使うものである。
 電池の普及が進まなかったのは、発電機に比べて、すでに述べたとおり、その低能力が原因であった。重量、容積ともほぼ同等の比較となるが、内燃機の燃料に使われるガソリンに対し、最も高いエネルギー密度であるリチウムイオン電池ですら50分の1に過ぎないのである。鉛蓄電池などは更に250分の1となる。充電にも時間が掛かるし、電力を消耗しても重量は減らない。内部抵抗が大きく電力需要の変動にも対応しずらい。
 ちなみに重さだけは、潜水艦においてバラストとして役立っている。
 近年、情報化によって電子装備の使用が増加している。固定式のレーダーなどに限らず、前線の歩兵に至るまで電子装備を携行することが普通になってきた。こうなると大きく喧しい発電機を常に持ち運ぶというわけには行かなくなる。電源としては制約の大きい電池であっても必要とされるようになってきたのである。
 もちろん、それを可能としたのは電子機器の省電力化が進んだことが一方にはある。省電力化が進まなければ、今日の普及はなかったろう。固体化、デジタル化、集積化、及びスイッチング電源の出現等が大きく寄与した。これにより小型の機器にも電池の使用が可能になった。
 しかし、処理するデータ量はその省電力化を帳消しにするほど大きくなり、プロセッサに流れる電流は大きくなる一方であった。それを打開したのはリチウム・イオン電池の出現だったのである。

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