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水に強いという20式小銃は、ステンレス製?鍍金と併用?部品交換前提?行動間耐久と割り切り?弱点が生じる可能性も。

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(映像はイメージ)

 多くの軍用銃では、 クロム0.8~3%程度のクロムモリブデン鋼が広く使われている。
 水に強いという20式小銃は、ステンレス製なのだろうか。ステンレス鋼製とする場合、特に、銃(砲)身には、バナジウムなどを含有させて強度を挙げるが、破裂を防ぐため硬くなり過ぎないようにしている。 ステンレス鋼は、実は海水には弱いという特性があり、銃身などには使っていないと考える。
 また、従来から銃の表面にはパーカーライジング処理などが行われてきたが、20式小銃では、鍍金などと併用して錆びにくくしているのかもしれない。
 硬質クローム鍍金を腔内に使う例は決して多くないが64式小銃では使用しており、湿潤な日本の気候を考えた結果なのかもしれず、20式小銃でも、同様に行っているかもしれない。
 ひょっとしたら20式小銃のバネ部品にステンレス鋼を使用しているかもしれない。交換前提なら行動間のみ耐久すれば良いのである。
 ファイン・セラミック製のバネは案外使われることもあるかもしれないが、壊れても影響の少ないところからだろう。
 20式小銃は、水には強くなったが、他の点で弱点が生じている可能性もある。

〇海水に強い20式小銃


令和2年5月18日に防衛省が新型小銃の報道公開をしたことを「朝日新聞デジタル」が報じた。この記事で注目しているのが、南西諸島の防衛を意識し、離島に上陸する水陸両用作戦などを想定して現行のものより水に強くさびにくい作りになっているとしていることだ。
『朝日新聞デジタル』2020年5月18 日18時01分「陸自、水に強い小銃「20式」導入 31年ぶりに更新」
https://www.asahi.com/articles/ASN5L5TJYN5KUTIL01C.html
 この錆び難くした方策や影響ついて分析しようと思うが、その前に、この「朝日新聞デジタル」の記事に私が注目するのは、現役時代のある体験があるからだ。
 平成23年3月11日と言えば、東日本大震災ということになるわけであるが、この当時、著者は現役航空自衛官で補給処に所属していた。この日、松島基地の武器庫が津波の被害を受け、多くの小火器が海水に浸かったのである。小火器は鋼鉄製の銃架に鍵を掛けて固定されているし、武器庫の鍵は別の場所の金庫に保管されているから、津波が来たからと言っても直ちに持ち出すことは不可能である。基地としても、なすすべも無かったであろう。もちろん防錆油が塗布されているのであるが、それだけではどうにもならない。特に海水に浸るような任務の場合ならグリースなどを臨時に塗布するだろうが、機能不全の原因にもなるから、保管中でもなければ通常は行わない。震災により現地では水道が止まり、松島基地は、銃に付着した塩分を落とすことができず、応急でそのまま防錆油を塗布した。どこの指示だったかは知らぬが、おそらく空幕や補給本部が調整したのだろう。海水に浸った、これらの銃を補給処に送って来ることになった。メーカーとの契約にある技術支援項目に基いて、補給処では錆びの進行を防ぐことと、製造メーカーに提供する補修のためのデータを収集することとなった。
 当該補給処は、小火器の補給処整備も担当範囲としているのであるが、小火器に限らず、現在では、補給処内での整備は僅かしかない。補給処整備とは、実質的に外注整備を意味している。
 また整備段階の内、小火器の場合は、多くは部隊整備が占めている。小火器は陸上自衛隊のマニュアルに基づいている場合が多く、部隊整備の上が、支援整備段階である野整備に当たるのだが、空自では支援整備段階は基地整備として扱っている。しかし、その辺りの整備は、若干名を陸自武器学校で研修を受けさせてはいるものの、専門の特技員がいないので陸自ほど明確なものがなく、実質的に外注整備である補給処整備で行うこととなる。
 錆び防止については、本来は部隊整備の使用者整備の段階であり、もちろん補給処自身の保有する銃があるから、それらの銃について行うことがあっても、補給処整備として他部隊等の小火器の整備を行うことは通常はない。したがって、補給処において大量の小火器の整備を行うことは異例のことであった。
 まして、マニュアルには特殊環境での取り扱いとして、海水に浸かるような場合の記載はあるが、通常の状態で海水に浸った場合の整備方法などには触れていない。このようなイレギュラー場合は、本来なら、そのまま外注整備となる。
 実際、やったことは外注整備を行うための仕様を作るためのデータ収集でもあり、外注整備のための準備作業でもあったが、分解と結合、そのものは部隊整備として隊員が行うレベルの内容であった。兎に角も、どこにも担当がないのは、分解した銃の除塩と防錆である。
 本来なら、応急処置であるTCTOを作成して、それに基づいて実施するところであるかもしれないが、そのようなことをしていては錆が進行してしまうので、検討するよう命じられた著者は、何かの書類の裏紙だったが、急いで鉛筆で、その工程を案出図示し、それでОKをもらって整備庫内にラインを作り、補給処の隊員を投入して、一連の作業を行ったのである。
 送られてきた銃は、大量の64式小銃と少数の米軍供与のM1トンプソンであった。そのまま防錆油を塗布しただけだから、塩味の効いたポテトチップス状態とでもいうところである。まあ防錆油は鉱物油だから舐めるわけには行かない。思えば木製部に使うのは亜麻仁油だからまあ毒ではない。
 工程は、流れ作業として、分解し、ドライクリーニングソルベントの入ったパンにドブ漬けし、それを流水のパンに移して、塩分入りの油を流し、腐食を記録したあと、防錆油を塗布し組み立てるというものである。油は側溝の先の分離槽に集まるので、そこまでの数か所で浮かんだ油は吸着シートで回収した。また、負い紐などの洗濯なども付随した。
 結果は、まず64式小銃の床尾板や握杷といった木製の部分は海水を吸って全滅だった。銃身や機関部などはメーカーで補修することになったが、ばね類も全滅で、すべて交換という状況だったと記憶している。
 ちなみに、これは全て後で用途廃止することにはなったが、米軍からの供与品のM1トンプソンは全く無事だったというのが印象に残っている。構造が簡単なこともあるが、木製部分などは内部まで油が含侵されていて、水分を全く吸わなかった。
 以上は個人の思い出話であるが、こんな体験があり、朝日デジタルの記事には関心があるところである。

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