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全体的な統括によるF-2戦闘機の開発発注と課題

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(画像はイメージ)

 政府は、F-2の後継となる戦闘機の開発を、元請けとなる三菱重工に対し全体的な統括を含め発注した。 従来、下請け企業は元請けの指示を一方的に受けて製造するだけの場合が多かった。しかし、今後は従来防衛省が元請けに行っていたような管理業務を今度は、元請けが下請けに対して行うようになるだろう。 下請け企業はプライムからの要求に対し審査の準備や官公庁への申請業務などをその分負担しなければならないことが予想される。 

○後継戦闘機発注

 政府は、F-2の後継となる戦闘機の開発を三菱重工に発注した。政府は、戦後、戦闘機の製造について、ライセンス生産と自主開発の分けなく全て三菱重工に発注してきた。

 その発注先の点では今回も同様ではあるが、今回の発注は従来とは異なる方式となることを政府が発表した。

○新たな発注方式

 その政府発表の発注方式とは、機体の他、エンジンや電子機器などについても、全て元請けである三菱重工に全体的な統括を負わせるとするものである。

 防衛省は従来、プライムと称する元請けメーカーに開発させるものの、エンジンや電子機器等については防衛省の計画に基づき別に調達し、その調達品を機体の元請けメーカーに官給してきた。

 今回、元請けである三菱重工に対し、従来防衛省が行ってきた管理まで、それらを一括してプライムに請け負わせることになる。

○影響

 日本の産業構造は、元々多くの工程を下請けに負わせ、サプライチェーンを抱え企業城下町と言われるような地域も出現するなど、中小企業による基盤の上に存在してきた。特に近年は持株会社の出現や分社化などの影響もあり、子会社への丸投げ的な傾向が著しく、日本の製造業界はプライムが製造にほとんど関わらないことさえ多くなったと言える。

 では、プライムメーカーは製造に関わらずに何をしているのかというと、知財管理もあるが、製造全般の管理を行い、特に品質保証などに関わる他、防衛装備関連では発注者である防衛省との契約上の事務に多くの時間を割いている。

 特に航空機などのシステム開発に関しては、開発段階において度々技術審査が行われ、承認図面の申請承認や製造工場における初度審査など数多くの業務が必要となる。

 さらに航空機の場合は、防衛用であるとしても、民間・公用入り乱れた航空機が行き交う、いわば公道である空を飛行することから国交省に対し耐空証明を受けるなどの業務も必要となるのである。これらの業務がプライムの業務の多くを占めている。

 そもそも防衛省との製造請負契約においては、会計法によって契約の履行に対し防衛省の担当者による監督を行うこととなっている。しかし防衛省が契約上関与するのは、あくまでもプライムとの関係までである。 

 ただし防衛省では例外的に下請け部分が重要な場合、下請負監督を行うことがある。下請負監督は契約事項に含めてプライムを通じて行われることになる。下請け企業との間に防衛省は直接契約関係を持たないからプライムを介在しないと下請負監督を行うことはできない。ここに述べたような今まで防衛省が行ってきた監督に関わる諸事務を、プライムメーカが行うことになるとすれば、業務の段階が一つづつ下請け、孫請けと下がって行くようになる。

 従ってプライムは下請けやサプライヤーに対し契約の履行状況や品質確保に責任を負うことになり、履行確保ための防衛省の監督官業務に当たる業務を従来の下請けに対して行うことになるだろう。 

 そうなれば、今後はプライムが行っていたような管理業務を下請けが行うようになると考えられる。従来、下請け企業は元請けの指示を一方的に受けて製造するだけの場合が多かった立場から大きく変わることになる。

 そこで下請け企業はプライムからの要求に対し審査の準備や官公庁への申請業務などを負担するようになることが予想される。自己の裁量の程度が小さかった下請け企業にとっては自由度は増えるが負担も大きい。

 従って、単に下請法で保護されるだけの存在だけでは下請け企業は生き残っては行けなくなる。技術力はもちろん必須であるが、管理能力も持たなければならない時代になると考えられる。

 また、特に航空関係では品質システムにおいて日本工業規格JIS9100の認証を得ることが生き残る上で優位になるかもしれない。

 なぜならばJIS9001の認証に比べプライム側の行うことになる監督項目が少なくなるからである。それはプライムが下請け企業を選択するにあたって大きな誘因となるだろう。

 もちろん下請けにとって費用や時間など大きな負担がかかることになるのは間違いない。下請け企業が生き残るためには大きな変革が必要となろう。

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