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日米安保崩壊で中共軍が自由に太平洋へ 東方阻止線重視で島嶼国防衛困難 東部の僅かな島々が戦略的に重要 太平洋欧州領土注目

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 中共軍がインド洋に進出してから東に向かって進むにしても、オーストラリア、インドネシア及びニュージーランドの近傍を通過することになる。如何に強大な軍事力を保有する中共と言えども、本国から遠い所で、この3国とまともに戦うのは負担が大きい。

 この3国の領域の東方には、トンガ王国、フィジー共和国、ナウル共和国、キリバス共和国、サモア独立国、ソロモン諸島及びバヌアツ共和国などの島嶼国があるが、これらの国々はオーストラリア及びニュージーランドと共にイギリス連邦を構成し、さらにビケタワ宣言でも連携している。ニウエやクック諸島もニュージーランドと自由連合で結ばれている。さらに、フランス領のニューカレドニアやポリネシア、イギリス領のビトケアン諸島及び米領サモアなどは、NATO加盟国であるとともに核保有国で、かつ安全保障理事会常任理事国の領土がある。さらにその東にはチリの離島が並んでおり、この海域を東進するのは中共にとってかなりの抵抗を覚悟することになろう。

 近年、フィジーに対する中共のアプローチが注目されている。中共としては、南北海域に位置する、太平洋に位置する国家群の中心に鉄杭を打ち込みたいのかもしれないが、中共から兵站線も長くなり、周囲を囲まれた中で、仮にフィジーを確保したとしても維持するのは大変だろう。

 日本が陥落したとしても、確かに米英仏にとって利用できる基地を失うことは大きいが、南北海域ではオーストラリア大陸などがあり基地の適地に困ることは無さそうである。

 さらに南の「南南海域」においては、南の果てに南極大陸があり、南極条約で軍事活動が禁止されている。中共があからさまに条約違反を行うかは、分からないにしても、利用するに当たり、あまりメリットも無さそうである。この海域についてはオーストラリア大陸の近傍を通過しなければならず、その先も、仏領ニューカレドニアから、ニュージーランドを挟んでオーストラリア領ノーフォーク島から同マクドナルド諸島の列島線を通過しなくてはならない。南半球における大圏コースではあるが、米本土に向かうには距離も遠くなる。

 以上の考察をまとめると、

1 日本が陥落することにより、第一列島線に突破口を生じ台湾、フィリピンも背後が危険になるため、早期に第一列島線の防御は崩壊する。

2 「北北海域」では日本列島を陥落させても、米国からの強い抵抗を受ける。また露との摩擦もある。

3 「南北海域」及び「南南海域」には、地域大国や欧州諸国との同盟関係などが連携されていて強い抵抗が予想される。

4 「北南海域」には米軍の拠点があるが、それ以外に強国がなく、周囲から支援するにも遠いため弱点である。

5 いずれに海域においても太平洋の東端に陸地が少なく、米本土を攻撃する場合、フランス領クリッパートン島、エクアドル領ガラパゴス諸島、チリ領パクスア島、同サライゴメス島などは貴重な拠点となる。

    中共の日本攻略後の主作戦の作戦軸は「北南海域」を用いる可能性が高いだろう。しかし、南北方向から米豪英仏等による抵抗を受けるから、中共軍は他の海域において、それらの抵抗を阻止するため、支作戦として他の3つの海域を用いる可能性は十分あるだろう。中共はロシアを味方に引き込もうと画策するだろうが、画策に失敗しても少なくともロシアに中立を維持させ、太平洋への海域の通過についてロシアから妨害されないようにするだろう。米としてはフィリピンが占領されることを阻止し、フィリピンを根拠基地として中共を圧迫し中共本国からの中共軍の後方連絡を脅かし、中共の太平洋中部への進出を妨害する。このフィリピンを基盤とする米国の対中共作戦の際、フィリピンを後方から支え、スンダ列島通峡を阻止する位置にあるインドネシアの戦略的な価値は高いだろう。

 日本が陥落した状況において、もはや太平洋の国々はどちらかの陣営で参戦中か中立であり、一部の防衛可能な中立国以外には対処はあっても抑止の段階ではない。もっとも全面核戦争にラダーアップしないための懲罰的核抑止は核保有国間に機能しているだろうが、核戦力以外では抑止が主題にはならない。多くの島嶼諸国は能力的に抑止は出来ず、中共に否応なく占領されるだろう。ここで抑止を発揮できるのはロシアだけと考えられる。おそらく当初、中立の位置に立ち、戦局によって日和見的に動くだろう。ロシアを自らの陣営にどう引き込むかは重要だろう。

 中共は原子力空母を建造中とのことであるが、この原子力空母は広い海域において、神出鬼没の活躍をすると思われる。航続距離の制約がないから、4つの海域を迂回し奇襲的に運用するだろう。日本が陥落すれば太平洋への出口も限定されない。人工衛星からの観測は断続的であるし、大量の画像データのから中から、竹島や尖閣の島々より小さい空母を探し出すのは、大海の中から探し出すのと同じように難しいことだ。https://sucanku-mili.club/0000031/640/

 それに比べると中共の陸上航空戦力は轟炸6型の戦闘行動半径に束縛され、硬直したものになる。結局、陸上航空基地の確保が重要となる。特に米本土に対しては、東太平洋に位置する島々でも遠いし、艦載機だけでは戦力が足りない。米本土に着上陸するならメキシコなどに基地を設ける必要があるかもしれない。

 以上のように日米安全保障条約を放棄せざるに至り、米軍が撤退して日本が陥落に至った場合、米軍は自国の防衛拠点を重視せざるを得ず、中共の直接的な軍事力に直面することになり。各国は対応を迫られ、太平洋諸国の防衛協力関係にも大きな影響を与えることになる。

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