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日米安保崩壊で中共軍が自由に太平洋へ 東方阻止線重視で島嶼国防衛困難 東部の僅かな島々が戦略的に重要 太平洋欧州領土注目

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    ここで厳しい対応を強いられるのが、米国との間で自由連合盟約を結んでいる。パラオ、ミクロネシア連邦、及びマーシャル諸島の3国である。日米安保条約を偏務条約と評することが多いが、これらの諸国は警察力しか持たないから、アメリカを防衛する能力を有さない。そもそも国の外交や防衛をアメリカに委ねる内容である。 アメリカが日本との安全保障条約を放棄して撤退を強いられる状況であれば、次に中共に圧迫されれば、なすすべもなく、中共の軍門に下るより他ない。 アメリカも、防衛義務を果たしたいかもしれないが、やはり自国領が優先にせざるを得ない。中共にとっても、米軍が駐屯する島より、取りやすい島を先に確保するだろう。

   このパラオ等の3国は、自由連合盟約の他に太平洋諸島フォーラムによる「ビケタワ宣言」を適用する国であるが、最近は、ビケタワ宣言からの脱退の話もある。仮にビケタワ宣言が、機能するとしても主要国のオーストラリアやニュージーランドからは距離があり防衛を期待できないし、フィジーやパプアニューギニアの軍事力では心もとない。

    この地域で、ある程度頼りになるのはインドネシアである。フィリピンについては米比相互防衛条約や米比相互補給支援協定(MLSA)により米国も共同して中共軍の侵攻を食い止めるだろうが、何と言っても中共との最前線であり、既に日本が落ちれば北方からの攻撃を受ける可能性もあるから、そうは持ちこたえられないかもしれない。だが、フィリピンの東に位置するインドネシアは、フィリピン防衛の後方拠点にもなるし、インドネシア自身が戦場になっても暫くは中共軍を食い止められるだろう。

    しかし、米国とインドネシアの関係は従来、良好とは言いがたいものであった。それでも近年、対テロ戦争を通じて関係は多少なりとも前進し、米・インドネシア包括的連携協定がむすぱれたりしている。

    インドネシアは、更に南へ、ロンボク海峡やスンダ海峡などのインド洋への出口を押さえる位置にあり、対中共戦略上重要である。

    北南海域にはイギリス連邦に属する国がある。ナウル共和国及びキリバス共和国である。しかし、赤道より北においてイギリスとの同盟関係にあるのは、この2か国だけである。貴重な陸地ではあるが土地も狭く長期間持ちこたえるのにも限界がある。イギリスからの直接の支援は遠いので難しいが、北太平洋においてイギリスの拠点となるのが日本列島であることに注目する必要があろう。あくまでも朝鮮戦争の絡みではあるが、休戦状態ではあっても戦争状態が継続されている間は、朝鮮軍地位協定があり、朝鮮国連軍参戦国は日本の基地に駐留できる。太平洋に位置するイギリス連邦諸国を防衛するためには日本列島はイギリスにとっても重要であり、さらに同様に朝鮮国連軍参戦国であるフランスも太平洋に領土がある関係から同じく重要になる。したがって日本列島を中共の手から防衛することは英仏にとっても重要であると考えられる。

 もし日本が中共の手に陥落するとなれば、イギリス連邦諸国を防衛する防波堤が失われたことになる。もちろんイギリスから遠く離れた太平洋に英軍の大兵力を展開させるのは難しいから、そもそも防波堤の有無に関わらず米軍に多くを頼らざるを得ないが、日本が陥落した状況に至っては、その頼りとする米軍も米国領土を守るのに手一杯となり、イギリス連邦諸国にまで手が回らなくなる。

  ナウル共和国及びキリバス共和国を防衛する枠組みとして、ビケタワ宣言によりオーストラリアやニュージーランドが支援する枠組みもあるが、そもそも本来は治安活動を目的とする宣言であるし、オーストラリアやニュージーランドに、どこまでナウル共和国及びキリバス共和国を防衛する力があるかは疑問である。むしろオーストラリア等は自らの防衛のためには自国への侵略を排除するのに役立つ、比較的近い赤道以南のソロモン諸島などの防衛の方に関心があるだろう。 そのように考えると、防衛条約が機能するのかについてパラオ、ミクロネシア連邦、及びマーシャル諸島の3国とナウル共和国及びキリバス共和国の状況はあまり変わりがない。余程、戦略的に重要な島以外は、戦力を回す余力はなく、侵攻する中共軍を爆撃することはあっても、英軍等が守備隊を送り防御陣地を築いて防御することは考え難い。島嶼諸国には自ら防衛する戦力もないから、中共の軍門に下らざるを得ないだろう。

  キリバス共和国やハワイ諸島の東側には、南北米大陸沿岸の基線構成の島々までの間、陸地が乏しく、フランス領クリッパートン島とエクアドル領ガラパゴス諸島のみである。中共が米本土に着上陸を試みようとするかは疑問ではあるが、もし、行うならキリバス共和国からでは遠すぎるので、これらクリッパートン島などの島々を拠点にするかもしれない。取るに足らないような島であってもクリッパートン島はフランス領土である。米本土にも近く、中共が米大陸に押し寄せて来るなら米、フランス或は、近傍のメキシコも含め防衛するだろう。

 米仏ともNATO加盟国であり、仏領が攻撃を受けるに至ってはNATOも対中作戦に関与するのではないだろうか。本来、NATOは欧州と北米を条約の防衛範囲としているが、近年域外にも関心を深めている所である。

 北南海域には西寄りに限れば島々も多く、作戦拠点を作ることができる。中共としては、キリバス共和国などに圧力をかけ、集団的自衛権を発動させることなく政治工作で無血占領を目指すのではないだろうか。

  赤道のすぐ南側の「南北海域」については、インドネシアのスンダ列島を南下して通過する必要がある。オーストラリア領のクリスマス島やココス(キーリング)諸島もあり、両国の対中共政策の違いが生じると、中共が両国の隙間を狙って様々な動きを行うこともあろうが、スンダ列島周辺の地域大国である両国が共同で阻止すれば、中共の通峡を食い止めることもできるかもしれない。

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