google-site-verification=bsh9Vc0JE-gs5XhAa5d60ynarygvmIr38GwKW8JySfM

日米安保崩壊で中共軍が自由に太平洋へ 東方阻止線重視で島嶼国防衛困難 東部の僅かな島々が戦略的に重要 太平洋欧州領土注目

アーカイブ
カテゴリー
広告
Loading...

  次の海域は、赤道までの北側の海域(「北南海域」とする。)である。日本海から関門海峡、東シナ海から南西諸島やバシー海峡及びフィリピンの群島海域を通過して太平洋に進出するルートである。北北海域同様、日本が中共に占領されれば中共軍は日本からも出撃するだろう。この北南海域の東側には陸地が点々とではあるが、比較的に多い。一番東に日本、台湾及びフィリピンの沿岸があり、更にパラオの島々、そして第二列島線と中共が呼ぶところの、伊豆諸島からマリアナ諸島、ミクロネシア連邦の沿岸を通過し、その先にはウェーク島、ハワイ諸島、ジョンストン島、北ライン諸島、中央ライン諸島、北フェニックス諸島などの米国領沿岸、パプアニューギニア、マーシャル諸島、ナウル及びキリバスの各主権国家の沿岸が北南海域にはある。しかし、キリバスより東には、フランス領クリッパートン島、エクアドル領ガラパゴス諸島以外は、北米中米の沿岸部の基線を構成するような小島まで北南海域には陸地はない。

 3つ目の海域は、赤道より南の北半分である。南シナ海やスンダ海から南下し、フィリピン群島から太平洋やスンダ列島を通過しインド洋を経由して進出するルートの海域(「南北海域」とする。)には、赤道の北側にある北南海域と同様に東側に陸地が偏っているが、同海域よりは、やや西側まで広がっていて、オーストラリア、インドネシア、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ツバル、バヌアツ、フィジー、サモア、トンガ、ニウエ、クックの各島嶼主権国家の島々があり、更に米国の米領サモア、仏領のウォリス・フツナ、ニューカレドニア、仏領ポリネシア、及び英領ビトケアン諸島と言った欧米諸国の離島が南北海域には存在する。その東には陸地は比較的少なく、チリの離島とチリ本国沿岸とペルー沿岸となる。島があっても多くの陸地は基線を構成する島々しかない。

 一番南の海域(「南南海域」とする。)はインド洋から南側の大圏コースに近い海域で、陸地はオーストラリア、ニュージーランドの本国沿岸や離島沿岸であり、それ以外の陸地はチリ沿岸までない。もちろん南は南極大陸となる。

  以上のとおり、太平洋には様々な陸地が存在するものの、海域により陸地の多寡には偏りがある。其々の陸地は南の端の南極大陸を除いて、主権国家の領域である。かつては国連委任統治領域があったが既に独立し、他は新島でも発見されない限りは、無主の土地はない。新島が出来る海域は火山帯を構成する中央海嶺と海溝のあるところに限定されるだろう。

 そしてこれら太平洋の陸地の面積の割合は海と比べると非常に小さい。EEZの地図を示したのは、排他的経済水域の200海里の厚さの「衣」で包まないと、見えないからである。先にも述べたとおり、太平洋の多くの島々は、原子の中の原子核や宇宙の中の恒星のような、大きさを無視できる点に過ぎず、太平洋の海域というのは巨大で空虚な海面でしかない。包んだ「衣」である、排他的経済水域は、資源開発を優先に行うことを沿岸国に認めただけの海域であるから、経済活動以外の活動を規制するものではなく、領海は12海里に過ぎないことに注意する必要がある。要するに陸地は殆どない。

 陸地が無くても、平時に艦船が経済的な航行をして太平洋を横断することは、多くの船舶が行っているように、ある一定以上の規模の艦船なら容易なことだろう。経済的な航行というのは、原速と呼ばれるような十数ノットぐらいの速力以下で、最短距離を直進で航行するようなことである。しかし、これが戦時であれば、軍艦は常に高速航行を強いられる。高速になれば艦の容積分×移動距離に当たる大量の海水を押し上げて動くので速度の3乗で効率は悪くなる。逆に貨物船などは護送船団を組み、もっとも船足の遅い船の速力に合わせることになる。艦船は浮力で浮くことができるから、遅い方が一般的には経済的ではあり、平時でも近年では燃料消費を抑えたり、二酸化炭素の排出を減らす目的で減速航行を行う場合が多いが、スクリューや機関の推進効率のこともあるから極端に遅いとその効果も小さくなってくる。速い船が遅い船に合わせて航行するのも不経済である。

 しかも潜水艦の攻撃を避けるために之の字航行となる。魚雷の発射後に船団の針路が変わってしまえば、予測位置との差が大きくなる。誘導魚雷であっても距離があまり離れてしまえば、水中の音波は電波の様になかなか直進してくれないから誘導範囲から外れてしまうだろう。船団に近づけばワイヤーを通じて魚雷を誘導できるが、潜水艦自身が護衛の艦艇からの反撃を受け易くなる。さらに攻撃中の潜水艦はスクリューのキャビテーションを抑えるため速力を抑えて行動せざるを得ないから、船団の前方側からしか攻撃を掛け難い。対艦ミサイルを用いれば攻撃できなくはないが、威力は魚雷より小さい上に、高価で搭載数も少ないし、発射すれば自らの存在を暴露してしまい反復攻撃をし難くなるから、あまり使いたくないのではないだろうか。そのような効果のある之の字航行ではあるが、当然、目的地までの航行距離は遠くなる。太平洋を横断するとなれば補給の拠点が欲しいところだ。

  軍隊が戦時に、途中の陸地を経由することなく、作戦を行うことは必ずしも不可能ではないかもしれないが、敵の抵抗を受けながらとなれば話は別である。もちろん敵からの攻撃にも対応しなければならないから、警戒のための拠点も必要だ。 

    航空機であれば、一部の戦略爆撃機や輸送機なら別かもしれないが、途中で空中給油が必要になってくる。フォークランド(マルビナス)紛争で、英軍は、複数の爆撃機を給油機に用いてバディ給油で、少数機のみをフォークランドまで到達させたが、大規模な作戦でこれを継続的に行うことは不可能だろう。多くのソーティ数による繰り返し攻撃や、現地上空での長時間の在空などを行えなければ航空部隊は航空優勢を確保することができない。また、救難拠点や不時着場も必要となる。 物資の貯蔵や、艦艇の応急修理のためにも陸地は必要である。 太平洋の様な広大な海洋で作戦を行うには、太平洋の僅かな陸地に依らずしての作戦は困難と言え、公海上だけを航行していれば良いとは言えない。したがって何としても、太平洋の島々を確保する必要があり、点に過ぎない陸地であっても、確保を巡って争奪戦となるであろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


%d人のブロガーが「いいね」をつけました。