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自衛隊調達巡り(205)照準手を配置?19式榴弾砲及び火力戦闘指揮統制システムの連接改修

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入札日:令和4年7月26日
陸上自衛隊中央会計隊
19式装輪自走155mmりゅう弾砲及び火力戦闘指揮統制システムの連接に係る機材改修
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https://www.mod.go.jp/gsdf/dc/cfin/html/img/file292.pdf
 納地は富士教導団特科教導隊、仕様書の作成は陸上幕僚監部防衛課だ。
 内容は、装輪155mmりゅう弾砲(試作5号機)の、射撃制御装置、砲班長操作盤及び照準手操作盤に対し、火力戦闘指揮統制システム(FCCS)と射撃制御装置が通信を行い、その情報を砲班長操作盤(砲側用)及び照準手操作盤に入力・表示する機能を持つように改修することであり、また、後者二つに対しハードウエアを19式装輪自走155mmりゅう弾砲と同等に改修することだ。

 照準手操作盤とあるが、基本的に榴弾砲(落角の大きい曲射弾道を利用して破壊,殺傷を行う火砲)が直接照準で目標を照準することは不意急襲された場合の最終防御射撃に限られるから、敵を直接照準するものではないだろう。通常、榴弾砲の砲側にはパノラマ眼鏡(眼鏡の頭部だけが旋回し,接眼鏡は同一の向きで周囲を視察又は照準することができる望遠鏡)があり、榴弾砲の照準は基本的には方向盤(火砲などの射向付与(射撃の方向(左右の向き))及び射向点検,射弾観測,器材の標定,測量などに用いる測定具)や照準コリメータ(火砲の間接照準において間接照準眼鏡と一対で使用される器材)を、このパノラマ眼鏡で照準する。これによって中隊の全火砲の向きを統一できるわけだ。
 自衛隊が使用する地図は、国土地理院が作成する地形図と基本的に同じUTM図法(紙を円筒に丸め、東西に水平に保ち、中に地球をはめ込んで、地球中心と地表面上の点とを結んだ直線が円筒と交わる点に印を付けて、円筒を展開した図)のものであるが、本来、このUTM図法に地図にはUTM方眼が施されている。どういうわけか市販の地図にはわざわざ抹消されてしまっているのだが、UTM方眼の縦軸と横軸の座標目盛りを読めばメートル単位の距離が分かるという優れモノだ。
 この地図の座標を用いて目標までの方角や距離が分かるので、各砲の照準手に伝達すれば、方向盤や照準コリメータを基準として、砲の向きを変更するわけだ。あとは前進観測班が弾着を見て修正を行う。

 砲が個々に方向を合わせてもよさそうなものだが、鋼鉄の塊の榴弾砲の近傍では地磁気が乱れるし、中隊の砲を正確に同じ向きに合わせるには、方向盤等から光学的に合わせた方が正確に揃うのだろう。
 19式装輪自走155mmりゅう砲では、火力戦闘指揮統制システム「FCCS」から得た目標の位置情報や座標などを、タブレット端末でタッチパネル入力するだけで照準が可能とはあるのだが、それは上記の地図の座標間の距離や方位の話で、砲を設置する際の方角合わせは必要だろう。
 照準手操作盤と思わしき部分にはパノラマ眼鏡の様なものはなく、3つのメーターのようなものが見られるが、位置もかなり高い位置で操作にも不便だ。

総火演に「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」初登場 陸自の内情チラ見えなその特徴とは?
https://contents.trafficnews.jp/post_image/000/049/121/large_190822_19shiki_12.jpg

 ジャイロ式も考えられるが、地球の自転に合わせて補正する必要があるし、磁気式では、砲や車体から遠ざける必要がある。衛星測位システム(GNSS)は本来、位置を測定するものであるが、これも2か所のセンサー間でその差異を取れば角度の測定もできるかもしれない。現在では様々な補正手段が出来ておりGNSSもcmレベルの精度を出せるようになっている。しかしながら砲術で必要な角度はミル(1周を6400等分、1㎞に付き1m)以下の精度を要するから、搬送波測位を利用するのかもしれない。
 19式装輪自走155mmりゅう弾砲の全長は11m強である。もし、その両端にセンサーがあったとして、1cmの誤差では、やっと1ミル程度である。1ミルなら30km先を砲撃すれば30mもズレてしまう。15榴の威力圏は破片効果(破裂して生じる破片によって目標に損傷を与える効果)で半径40m程度だから、制圧効果は半減してしまう可能性がある。爆風による威力はもっと小さいから、もし装甲や掩体相手だったら無視できない数字だろう。
 照準手操作盤とは別に砲班長操作盤(砲側用)というものも記載されているから別にあるらしい。ということは照準手と砲班長は離れて位置するのだろうか。

 基本的に同じ砲である99式自走155mmりゅう弾砲の場合は乗員は4名で、砲塔内には砲手、車長及び装填手が砲尾を挟んで居て、照準手の配置はない。19式装輪自走155mmりゅう弾砲の場合は5人乗りだが、他の車両の2名を合わせて7名で運用するらしい。その個々の配置の記載がないので分からないが、その中に照準手と砲班長が含まれているのだろう。わざわざ砲側用の記載があるのはどいうことだろうか。
 野戦特科の運用にそれ程、明るくないので不明な点は多いが、師団には普通科中隊(陸自の普通科には大隊はない。)の火力支援のため野戦特科大隊が配属されるらしい。野戦特科大隊には射撃指揮所が開設されるようだ。
 火力戦闘指揮統制システム「FCCS」は、方面隊システム、師団(旅団)用システム、及び大隊用システムの3種類があるそうだから、野戦特科大隊の射撃指揮所には、この大隊用システムが設置されるのだろう。

 99式自走155mmりゅう弾砲では、FCCSを使えば、射撃指揮所のボタン操作だけで主砲の自動照準、自動装填、自動発射を行うことが可能になると言われて居るそうだ。19式装輪自走155mmりゅう弾砲の場合は機動性を優先し、装薬の装填のみ半自動らしい。その関係で7名の運用となっているようだ。
 砲班長は砲の全般について指揮をとるわけだが、果たして照準手の役割はなんだろう。装填以外、自動なら照準は要らないとはならないのだろうか。
 なお、砲班内の編制について記載したものが少ないが、75式自走155mmりゅう弾砲の場合だと、車長、砲手装填手2名、通信手、操縦手の6名となっていて、その中に照準手は見られない。これは直接主準火器であるところの60式自走106mm無反動砲の場合であっても、車長、操縦手、装填手の3名で同様なのだ。

 以上のように見て来ると、ひょっとして照準手操作盤というのは、砲側にはないのかもしれない。あるいは前進観測班辺りに離れて設置するのだろうか。ただ、そうなると、これは火力戦闘指揮統制システム「FCCS」側の構成品という感じもする。19式装輪自走155mmりゅう弾砲の構成品とするのは少し無理があろう。ただその名のとおり照準を、前進観測班において実施できるとすると、間接照準火器である榴弾砲を直接照準火器のように使えるということを意味することになる。最前線で移動する目標に対し照準し、後方の榴弾砲から直撃させることができるとすれば、これは画期的なことだ。
 ただ、この仕様書には、入力・表示する機能としかない。これでは「FCCS」側からの一方通行だ。ということはあまり過大な期待もできそうもない。とは言え、前進観測班において直接、砲を制御できるのなら榴弾砲が直接照準火器的に使える可能性も出てくる。
 先ほど、榴弾砲は不意急襲の自衛の場合しか直接照準射撃をしないと書いた。それでも旧ソ連軍などは砲兵による直接照準射撃をそれなりに重視はしていたようだ。とは言え、やはり砲兵が目視距離で戦車や歩兵と対峙して戦闘するようなことはなるべく避けるだろう。あくまでも緊急の場合には他ならない。その為に照準手を配置するのかというのはやはり疑問だ。

 常設するのであれば、自衛ではなくやはり前進観測班として敵により接近し積極的に用いるということのような気がする。
 砲兵の戦闘は、戦車や歩兵の戦闘と異なり、計画的な面が強い。直接目視できない敵を叩くのだから、前進観測班などを派遣しなくてはならないし、砲の設置や気象観測なども必要になる。もちろん要請射撃など諸兵種連携のなかで一方的に求められる場合もあるだろうが、それにしても直接支援(DS)のように各戦闘団に事前に事前に配属される筈だ。急に支援しろと言われても全てに応じられるとは限らない。
 しかし、流動的な戦場では戦機を捉えて、それを活かした方が戦闘を有利に運ぶものである。

 戦場には、所謂「戦場の霧」というものがある。クラウゼヴィッツは「戦争論」の中では「戦場の霧」とは書いていないのだが、摩擦という言い方をしている。1編7章に「戦争では計画を狂わせる無数の困難が生じる。それが摩擦だ。」と記し、2編2章には「戦場では全ての行動を、かなり輪郭の霞んだ薄明りのなかで行わなければならない。それはちょうど、霧の中や月明かりの中でモノを見るようなものだ」とも記している。
 これは砲兵にはなかなか厳しいものだ。しかし、自ら目を最前線に出し、直接、敵を撃破できるなら、より戦機を捉えた戦いを行うことができるようになる。
 陸上自衛隊にも、直接撃破したい考え方があるようだ。例えば、これは野戦特科でも地対艦ミサイル連隊についての記事ではあるが、機関誌『FUJI』2013年8月号には「陸曹のための教育訓練の参考―対艦レーダ゙要員による目視観測について―」という記事が掲載されている。そこでは著者の富永敏龍氏が地上観測と海上観測の相違について述べ、目視観測の優位性を述べている。

 さらにドローンで目を延ばせば、ドローンから見得たものを中継して直接、その目標を狙うことができるようになる。ただ、先に述べたとおり陸自の普通科中隊には師団の野戦特科大隊の射撃指揮所が開設されるようであるから、そこで用いる普通科装備のドローンはUAV(近距離用)であり、その訓練資料3-03-04-72-23-0の情報公開資料にも、普通科での運用を念頭に置いているように記してある。実際には師団の偵察隊が使うようだ。
 陸自のドローンについては(187)で取り上げたが、UAV(狭域用)JDXS-H1(スカイレンジャーR60)というのが、訓練資料でいうUAV(近距離用)の事だろうか。最高速度が50 km / h、巡航速度: 40 km / hとあるから、榴弾砲の最大射程距離(約30km)だと直線でも30分前後も掛ってしまう。
 師団には情報科部隊である情報隊がある。UAV(中域用)として正式化された「スキャンイーグル」は情報隊の装備だ。こちらは最大速度が148km/hであるから10分前後で上空に進出することができる。ただ情報隊であれば威力偵察的な作戦に直接連携しての運用はしないだろう。むしろ師団の司令部の情報幕僚(G2)と行動するのではないかろうか。あくまでも情報見積りを作成するのが彼らの任務だろう。

 3-02-16-01-29-0情報科運用(試行案)の情報公開資料には、「第5編 師団・旅団における情報科部隊の運用」の「第3章 各種作戦戦間における運用」には陣地攻撃遭遇戦追撃陣地防御機動防御後退行動及び遅滞行動のレベルまでしか目次がない。職種運用、機能別及び作戦別の教範類と関連して使用せよとの記載があるが、参照する程度だから火力支援などは深くは扱わないようであり、彼らが野戦特科と協力することは想定されていないのだろう。
 火力戦闘指揮統制システム「FCCS」の方も師団(旅団)用システムに対応してくる。とするなら全般支援(GS)としての運用となり、戦機に即した火力支援というより、より敵の戦場への集中を妨げる阻止攻撃となってくる。照準手を配置して直接照準射撃をするような話ではなくなるだろう。
 ただ普通科連隊レベルで使うにはUAV(狭域用)JDXS-H1(スカイレンジャーR60)の能力では19式装輪自走155mmりゅう弾砲の能力を十分に活かせないような気がする。最前線で接敵している部隊にとって、僅かの時間の火力支援の遅れが生死を分けることになる。

 自爆型ドローンを、これらの偵察ドローン同行させるのも一長一短だ。自爆型は基本的に使い捨てだろう。常時飛行させておくのは無駄が多いし、発見してその場で攻撃するには良いが、攻撃できる敵の数が制約されてしまう。それよりは榴弾砲の砲弾を投射した方が良い。しかも自爆ドローンが攻撃できる目標は少数の小さいものに限られるが、榴弾砲なら面で攻撃が可能だ。
 本調達は、中央会計隊となっているが、仕様書作成が陸幕防衛部防衛課であることを考えれば普通の対応である。納地は富士教導団特科教導隊となっているが、現時点において、19式装輪自走155mmりゅう弾砲の配備が教導隊の第4中隊だけだから自然な流れだ。そもそも改修の対象となるのは、5基製造された試作機の、その5号機である。2018年5月31日に日本製鋼所から防衛装備庁へ納入され評価試験が開始されたとある。防衛装備庁は、装備品の研究開発に軸足を置く機関である。相互に連携するものの戦術運用の為の研究は陸海空の自衛隊が担うから、特科教導隊に既に管理替えされたのかもしれない。量産機も平成31年度予算から開始されているとのことだから、試作機の役割は終えていると考えられる。つまり、試作機を有効利用して、「FCCS」との連接機能を開発しようということだろう。

 「ICD(19HSp-FCCS)(概案)」という文書・データに基づくとのことなので、既に形にはなっているということだ。ICDとあるのは、通信データフォーマットを含む、インタフェースのことのようだ。
 おそらく、「19式装輪自走155mmりゅう弾砲及び火力戦闘指揮統制システムの連接に係る改修のためのICD検討に関する技術支援役務」と言う名称が出てくる。「ICD(19HSp-FCCS)(概案)」というのは多分、この調達の成果物なのだろう。因みに、この調達は製造図書の利用の制約から、東芝インフラシステムズ(株)電波システム事業部と株式会社日本製鋼所の2社になったようだ。この調達は令和3年に履行されたようだ。
 この成果を実機(試作5号機)で試してみるということだろう。試すとなれば実際に前進観測班と砲班を配置して、目標に対し射撃を行うということになる。富士教導団に、試作5号機があるわけだから、東富士演習場で行うのではないか。

軍事問題研究会関連資料の紹介 関連資料として以下を所蔵しておりますので応談承ります。なお在庫切れの場合はご容赦下さい。お問合せはこちらへ。
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(資料番号:21.7.26-1)「北朝鮮との対話で避けるべき方向“劣化版”の中距離核戦力(INF)全廃交渉」『NIDSコメンタリー』(防衛研究所)第181号(2021年7月20日)
(資料番号:20.10.5-2)「イスラエルUAE国交正常化合意の衝撃―変わるのか中東の勢力地図」『外交』Vol.63(2020年9月30日発行)掲載
(資料番号:17.10.5-1)「中国の遠距離偵察型/戦闘型航空無人機―遠距離のISR能力と対地攻撃能力の向上に注目―」『鵬友』2017年5月号掲載
(資料番号:16.2.6-1)「漢和防務評論中国軍の地図の現状について掲載」『基礎情報隊資料』2015年11月配信記事
(資料番号:14.4.21-4)「陸曹のための教育訓練の参考―対艦レーダ゙要員による目視観測について―」『FUJI』13年8月号掲載
(資料番号:15.7.4-2)「UAV(近距離用)」(陸上自衛隊訓練資料第3-03-04-72-23-0号)
(資料番号:13.10.7-2)「長距離打撃能力による『敵地攻撃』構想―米国韓国の事例から―」『レファレンス』(国会図書館調査及び立法考査局)2013年9月号掲載
(資料番号:13.1.10-2)「中国国家海洋局釣魚島海域等を監視範囲とする監視観測システムを整備」『基礎情報隊資料』(陸自基礎情報隊)2012年9月配信記事
(資料番号:12.8.27-2)「福島第一原子力発電所沖での海洋観測」『波涛』2012年5月号掲載
○『軍事民論』第519号(2012年7月4日発行)
 〈特集〉「野外令」(陸自教範)の変遷に見る日米共同作戦
 (付録)資料:陸上自衛隊の駐(分)屯地配置図(「平成20年度陸上自衛隊史」(陸上幕僚監部)より抜粋) *全国の駐(分)屯地が地図で示されています。

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