中国に輸出未遂容疑!?　ＲＣ用　新技術無い　高性能不要　 インフォーム　 キャッチオール　 国連パネラー思惑様々　矛先日本

〇規制は意味があるか

　述べたとおり、そもそも、このサーポモーターが、規制しなければならないほど新しく、また特殊で高度な技術で作られたものとは言えない。このサーポモーター程度のものなら、品質をそれほど問わなければ、多くの国で製造可能だろう。それにドローンの操作に使うのに、規制しなければならないほどの高性能なものが必要だろうか。むしろ重量軽減とか寸法小型化の方が重要だろう。もっと普及品レベルの製品も市場には出ている。
　おそらく、サーポモーターのようなものは輸出規制をしたところで代替品はいくらでもあるから供給先に困らないし、少々スペックを下げたところで影響のないものだ。
　もちろん、リバースエンジニアリングに役立つような技術もないだろう。あるいみ枯れた技術であり、どこにでもある技術である。むしろ同じ品質のものを安く大量生産する技術の方が重要だが、それは製造側を見なければ製品を解体してもヒントは見つかり難いかもしれない。そのようなことから普遍化した製品を規制するのは自由競争や貿易を阻害するだけである。
　常々思うことだが、経済制裁に制裁としての効果があるのだろうか。我が国の貿易にも逆の方向で影響していることだが、経済制裁は究極の保護貿易ではないのだろうか。制裁されている北鮮より、グローバル経済の暴風に直接さらされている日本の方が余程、厳しい状況になっていないか。現下のグローバル経済において、自国の産業を守るのは容易いことではない。
　より良い製品がより安く大量に国内市場に供給されれば、自国の産業は大きな影響を受ける。例えば北鮮に、世界の市場から製品が安く大量に輸入されたなら北緯の国内産業は破壊されるだろう。特権階級以外の人民は外国製品の所持を禁じられるかもしれないが、闇で取引される。国営企業だって製品が売れなければ国家予算のお荷物になるだけだ。
　資本主義の我が国でも、米作は食料安全保障上必須だからということで、保護されてきたが、生産すればするほど公費の補助が莫大となり、減反による減産を続けて来たものの、とうとう破綻してしまった。海外の大規模化した米作には到底かなわないし、そもそも日本国民が米を昔ほど食べなくなり、外国から小麦粉などが輸入されるようになったからである。
　自由経済では常に新たな製品を開発しない限り競争には勝てないが、社会主義体制下の北鮮がそれに真正面から対抗するのは難しい。かと言って今の時代、国家が、国際貿易において関税を自由にかけることも難しい。
　キューバでは革命前のアメ車が今でも現役で走り回っている。キューバのように日本で高年式車を走らせ続けようとすることは、結構大変なことである。部品がないし車検を通すのも大変だ。キューバでは部品でも何でも自分達で製作して治してしまう。そのような先進国では廃れたような産業が経済封鎖のお陰で生き残ることが出来ているのである。
　人間は、物が無い方が知恵が働くものだ。核弾頭や大陸間弾道弾を北鮮が開発できたのも、各国が経済制裁によって北鮮の産業を守ったからではないのか。
　南鮮を日本政府がホワイト国から外したことによって、南鮮が半導体製造に必要な原材料の自立化に成功したことも目新しい。
　北鮮向けに贅沢品の輸出が止められているが、贅沢品が贅沢品である所以は、その稀少性である。供給量を減らせば、さらに稀少性に磨きをかけ、どんなものでも贅沢品になるのだ。先進国の産業廃棄物は負の品物だが、北鮮では宝の山だそうだ。しかもそのゴミの山から孤児が食料を得ているという。
　もし経済制裁を外し、北鮮への輸出を再開すれば、大量破壊兵器を開発した技術力は外資に売却されてしまうだろう。政府が規制しても、金を目の前にされては、止まらない。今あれだけ知恵を絞って密貿易をやっているのだから、こんどは逆に技術も金も皆、国外に流出する。これは近年の日本の産業に起きたことと同じことである。

〇まとめ

　国連パネルの矛先は北鮮なのか。そもそも今回の利根川精機の事件に北鮮は関係がない。いつの間にか、その矛先は日本に向かっているのでは無いのか。　国連の英語名の直訳は連合国だ。そして我が国はいまだに旧敵国のままである。一方、国連は加盟国の寄せ集めである。各加盟国の意思に左右されるままの寄り合いなのである。加盟国の思惑の交差する場所に他ならない。日本に対する敵意も当然あろう。まずは疑って掛かるべきなのである。

　次のようなニュースもあった。

外為法違反事件で東京地検が起訴取り消し　噴霧乾燥装置を中国に輸出　毎日新聞 2021/7/30 21:42
https://mainichi.jp/articles/20210730/k00/00m/040/454000c

　もちろん重要な技術が盗み取られることを見過ごすことはできないが、何でもかんでも規制したのでは、日本の製造業はなにも輸出できなくなり、萎縮してしまう。技術というのはいずれ他国も習得するものだ。古い技術は規制を緩め、産業界を儲けさせ、日本は、もっと新しい技術を開発し他国の追随を許さないことこそ必要ではないか。

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