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海自は八重山軽視? A2AD VS ASB 陸自ASMに期待  長距離輸送と港湾護衛 三井造船らの自律型海上輸送システム

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〇海上補給路の確保

 対艦ミサイルのような重装備を、八重山などの、これらの島嶼に常時配置することは人員や費用などを考えると容易なことではない。対艦ミサイルような重装備を陸揚げする港なども限定されてくる。
 元から長射程のミサイルを発射できる射場が我が国の国内にはないから、実射訓練については米国などに行かねばならないが、実射を伴わない訓練であっても現地でできる内容は限られてくる。
 陸上自衛隊では、特科と呼ぶが、砲兵と呼ばれる職種は、常に戦闘をすれば移動する。野戦特科も高射特科も同じで、これは航空自衛隊の高射部隊も同様であるが、位置を暴露すると次には、そこを攻撃されるため、いち早く、現在の場所から逃げる。ちなみに対艦ミサイル部隊は野戦特科に含まれる。
 狭い島では、次々に移動すべき用地も限られる。日常の訓練では2地点間を繰り返し用いたりするが、そのような日常的訓練でも民有地などを使うことは難しく、山がちな島では、車両の移動すら困難な程、狭隘なところが多いのである。さらに島々を渡ることなど、容易にはできない。
 日頃の訓練でも、那覇にある演習場まで、船に積載して運ぶことになる。さらにミサイルはもちろん、発電機を作動させる燃料や、隊員の糧食など、運び込むものは多数にわたることになる。
 もちろん対艦ミサイルだけあっても、敵に破壊されてしまうから、対艦ミサイルを守る高射部隊や地上戦闘の部隊も必要となる。
 これらの対艦ミサイル部隊などを中心とした部隊が、十分な活動できる兵站を維持したくても、陸海空自衛隊の補給処は概ね関東から近畿に位置するから、長大な距離を移動しなくてはならない。
 似たような例は、硫黄島や沖ノ鳥島の基地でも平時からある。燃料などは船でなければ運べないが、波が荒れれば補給が滞ることもしばしばである。空輸もあるが運べる重量や容積に限りがあるし、もちろん天候に左右されることは言うまでもない。水が少なくなれば隊員を減らすために、内地に戻すことも行われている。
 硫黄島などの部隊は小規模であるが、小規模部隊ですら活動を維持するのは容易いことではない。
 第1列島線に戦闘部隊を配置したとすれば、兵力の所要はかなりのものとなる。それらは、長い距離を海空輸によって運ばざるを得ないのである。もちろん中共軍は、戦闘部隊のみならず、これらの補給線も叩くだろう。
 大東亜戦争では、ソロモン方面の戦いにおいて、ガタルカナル島を攻略する部隊に、どのようにしたら物資を輸送できるかが大きな問題となった。駆逐艦を使うネズミ輸送、潜水艦を使うモグラ輸送、大発などの小舟艇を用いるアリ輸送などが行われ、輸送用の潜水艇など様々な新兵器も作られた。この時と同じような状況が生起する可能性は高いと言わざるを得ない。
 もちろんその輸送の役割を全て海上自衛隊に負わせられる程、海上自衛隊に能力はない。民間船のチャーターが必要になるが、現行法では直接戦火を受けることのない防衛出動の二項地域と言われるところまでしか、輸送従事命令を民間船に出すことはできない。従事命令ができないとなると任意の役務契約でやってもらうことしかできなくなる。
 このようなことで輸送が滞れば、島嶼で戦っている部隊は干上がってしまうことになる。結局、これらの島嶼への輸送路確保が必要になり、それを確保するためには海空の自衛隊の力が必要になるのである。
 冒頭にエルドリッジ氏の見解のことを書いたが、八重山へも海上自衛隊が展開することが必要になってくるだろう。ただし基地を置くかについては考える必要がある。艦艇の補修などができるためには、船渠などの設備が必要になる。しかし、それを担うような企業は沖縄本島にもない。
 港湾施設などがなければ、物資の荷揚げができないから、そのような設備が必要にはなるが、海上自衛隊が自ら行うべきかは考えるところがあろう。本来、海上輸送ルートの護衛に当たるべきで、輸送まで行うことは負担が大きすぎる。いずれにせよ、物資の荷揚げ拠点を築くことは必要かもしれないが、あまりに現状の海上自衛隊の規模からすれば無理のように思える。また、艦艇に対する支援も、旧帝国海軍の様な工作艦もなければ、浮きドックもないし、それらの修繕インフラを運用して艦艇を修理できる工廠もないから、南西諸島において修理等を行うことは困難である。南西諸島の海域で戦闘を行うためには、せめて応急処置ができる能力は欲しいところではあるが、個艦で出来得るダメージコントロールで浸水をとどめ、内地に曳航するしかないだろう。
 結局、今の規模の海上自衛隊では、せいぜい既存の港湾に入港した艦艇や乗組員に関わる作業をする程度のものになるだろう。展開する艦艇や島嶼に分散した部隊の兵站を維持できる施設を遠隔の島嶼に置いて活動することは難しい。
 注目される動きとして、三井造船株式会社、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所、国立大学法人東京海洋大学、一般財団法人日本海事協会、一般財団法人日本船舶技術研究協会、株式会社三井造船昭島研究所で構成された研究コンソーシアムによる自律型海上輸送システムの技術コンセプトの開発が国土交通省の平成29年度「交通運輸技術開発推進制度」に採択されている。
「自律型海上輸送システムの技術コンセプトの開発」を推進 株式会社商船三井
https://www.mol.co.jp/pr/2017/17038.html
NYKグループの自動運航船への取組み MTI Co., Ltd.
https://www.monohakobi.com/ja/wp-content/uploads/2020/03/57495ae5b679547fe499de90369cac13.pdf
 運行の自動化のみならず、陸上輸送との積極的連携なども含めた内容となっている。
 これとは別ではあるが、ASVやAUVなどの研究も様々進められていることから、輸送から陸揚げなどについて無人化の可能性も出てこよう。
 無人化することで、攻撃を受けても人的な損耗を生じることなく、物資を輸送できるようになるかもしれない。しかし、荷役業務から内陸部の部隊まで人手を介さずに行うことは難しいだろう。
 もし陸上自衛隊部隊に対艦ミサイルによる阻止などを行わせるのであれば、大規模な港湾のない島においても、兵站を維持できるシステムの開発が急務と考える。

       

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