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はやぶさ2カプセル再突入と核武装マイナス1戦略

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(画像はイメージ)

 小惑星探査機「はやぶさ2」がサンプルの入っていると思われるカプセルを地球に向けて放出し、大気圏に突入したようだ。放出時点の地球までの距離は22万キロメートルである。薄い大気の層に差し込むのは、例えれば22メートルさきにある鉛筆の芯に当てるようなものである。回収されるカプセルには、誘導できるようなものはない。 これはICBM並みの精度であり、すなわち核武装マイナス1戦略の一端なのである。 このように「はやぶさ2」の運用は単に科学技術のためだけではなく、暗に国防にも貢献しているのである。


〇「はやぶさ2」カプセルの再突入
 小惑星探査機「はやぶさ2」がサンプルの入っていると思われるカプセルを地球に向けて放出し、大気圏に突入したようだ。
 宇宙から地上にカプセルなどを回収するには、カプセルを減速するため大気圏内での飛翔距離を稼ぐ必要がある。さもないと地面に激突したり、減速が足りずに大気圏を突き抜けて再度、宇宙空間に飛んでいってしまうからだ。
 減速には大気との空気抵抗を用いる。大気は、水泳の飛び込み競技のプールの水にあたる。
 「はやぶさ2」から、カプセルを地球に向けて放出するのであるが、そのコースを地球のど真ん中に向けたのでは、地面に真っ逆さまに激突することになる。
 ICBMなどの弾頭の場合なら、命中精度を高くしたいので鉛直に落下させる。このような垂直落下の場合でも地面に衝突するまでに弾頭の落下速度は半分程には落ちるのだそうだが、もちろん、回収には使用出来ない。
 回収する場合、皮下注射をするときの針の様に、大気に沿って地表の接線方向に飛翔させ、大気に潜り混ませる必要がある。
 そのようなコースを辿るためには、地球の直径から見たら遥かに薄い、葛衣のように透き通った大気圏に、掠めるよう放出しなければならないわけである。

〇ICBMに匹敵する精度
 カプセルを放出する時点の地球までの距離は22万キロメートルである。月までの距離の3分の2ほどにあたる。
 大気は、高度が5千メートル上がる毎に密度が半分になって行くので、厳密に言うなら密度が無限に0に近づいて行くのだが、ほとんどの大気は地上から数十キロの範囲にある。高度100キロメートルも昇るとほとんど大気はないが、人工衛星など高速で動くものには影響が大きく、これより低いと速度が低下して地球の重力に絡め取られてしまうことから、これ以上を宇宙とすることが多い。
 高速で地球に向かってくるカプセルを回収するにはもう少し大気の濃い部分が必要で、カプセルの最接近時に中間圏と呼ばれる50~70キロメートル付近の高度に突き刺さる様に、この幅20キロメートル程度の部分に22万キロメートルの距離から放出することが必要となる。これだけでも距離の1万分の1より狭い範囲なのである。例えれば22メートルさきにある鉛筆の芯に当てるようなものである。
 回収されるカプセルには、その22万キロメートルの飛翔の間、誘導できるようなものは一切ない。ただ「はやぶさ2」から放出されるだけだ。
 ICBMの場合、6千キロメートル程度を飛翔して、誤差は200メートル程度と言われるが、これを22万キロメートルに拡大すれば7キロメートル程になる。先に中間圏を20キロメートル程と書いたが、確実に回収地点に降下させようとするなら、狙う幅はさらに狭くなるだろうから、ICBMの精度と違いはなくなるだろう。
 なお、ICBMの場合は弾道の経路が重力によって曲げられるから、放物線の弾道曲線となるが、働く重力は「はやぶさ2」もICBMも同じであり、「はやぶさ2」の方が速いのと、当初は距離が遠いので重力が小さく、そのために経路の曲がりが、小さいためで、比較の上で影響はほとんどない。

〇核武装マイナス1戦略
 この高い精度が示すところは、日本もその気になればICBMを開発できると言うことを世界に示したと言うことになる。
 すなわち核武装マイナス1戦略の一端なのである。
 日本は政策上、核武装を行わないと公言しているが、もし万が一、国際情勢が、我が国に核武装を必要させる状況となれば短時間で核兵器を配備、使用出来ることを世界に向けて示し、抑止力とする戦略である。
 もちろん「はやぶさ2」のカプセル回収は、核の運搬手段の技術の一部に関係するだけではあるが、様々な場面でそれを暗に示したものと言えるのである。
 他にも、度々軌道上で加速に用いたスイングバイがあるが、惑星と高速ですれ違う探査機を精密なタイミングで制御するのは、核弾頭を最適高度で起爆させる技術に通じるだろう。
 このように「はやぶさ2」の運用は単に科学技術のためだけではなく、暗に国防にも貢献しているのである。

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