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中国に輸出未遂容疑!? RC用 新技術無い 高性能不要  インフォーム  キャッチオール  国連パネラー思惑様々 矛先日本

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〇規制すべき技術なのか

 まぎれもなく対象となったのは利根川精機製のサーボモーターである。そのカタログ表示価格はかなり高く、かなり強力な回転力を持つのでサーボモータとしては高級品と言えるだろう。
 このサーボモーターは、広告にあるようにラジコン用として作られたもののようだ。大型ラジコン機などに用いるとある。私も小学生の頃、50年近い昔だが、ラジコンに興味がありラジコン雑誌を購読していた。当時も既にサーボモーターは普通にラジコンの飛行機などに搭載されている。その当時図書室で少し古い書籍を見るとラジコンはまだ少数派で、Uコンが主流であった。それを考えるサーボモーターは昭和40年代に一般には普及し始めたのだろう。
 調べると下のような記事があった。昭和27年とある。工作機械用のようである。ラジコン用まで小型軽量化し、一般に購入される価格になるためには、しばらく時間が必要だったのだろう。いずれにせよ今では成熟した技術といえる。

山洋電気の歩みと技術革新(5)工作機械の自動化へ-国産初の「サーボモータ」開発に成功https://techcompass.sanyodenki.com/jp/column/history/005/index.html

 このサーボモーターに内蔵されているCanon製 38f 7極DCモーターを検索してみたが、カタログ上にはこの型式のものは出てこなかった。もしかすると当該モーターは特注品なのかもしれない。4極ぐらいの型式のものなら掲載があるのだが、7極のものは掲載されていない。サーボーモーターのアクチェーターとしての目的から、回転ムラを無くしたり、極間の距離を短くすることで停止位置を細かく設定したいのだろうが、そもそも今日、鉄芯で出来たヨークを回転子に使うDCモーターというのは少ない。教育玩具などに良く見られる鉄心にコイルを巻いた回転子は回転ムラが大きいからだ。したがってここで言う極数とは固定子側の極数のことだろう。極数が多いことも値段が張る理由の一つかもしれない。このような小型モーターにはそもそも回転子に永久磁石を使う例が多い。サマリュウムコバルトやネオジムを回転子の磁石に使うこともあるから、かなり高性能のものも永久磁石で作ることは可能だ。
 問題となった利根川精機製SSPS-105RCモデル用超大型サーボにも使われているDCモーターの歴史は長く、早くも1830年代には出現している。我が国では文政時代から天保時代に代わる頃だろうか。明治維新の偉人とされる、勝海舟、大村益次郎、岩倉具視、西郷隆盛、大久保利通などの少年期であり、日本にシーボルトが訪れた時代である。
 18世紀に出現した蒸気機関に比べれば新しいように見えるが、移動体に搭載できるような高圧の蒸気を用いる小型で強力な蒸気機関が出現するようになるのは、やっとこの頃だ。もちろんそれ以前にも工場などで使用する固定用のものはあるが、十分な性能ではなかった。従ってDCモーターの実用、普及の時期は蒸気機関に近い。あまりこの時代に電動式の機械を聞かないのは電池が主な電源で十分な発電所がなく、送電も直流で大規模なものが作れなかったからにすぎない。小規模な動力なら馬や牛の方が使い勝手が良かったからだ。内燃機関は1860年代にルノアール機関が出来るまで実用になるものはまだない。ガソリンエンジンの出現は1880年代まだ待たねばならない。さまざまな改良はあるが、使い古された技術であるし、今やACモーターに置き換えられた分野が多い。こんな古い技術を規制する必要はどこにあるのだろうか。新しい技術があるとしてもベアリングやシールなどの周辺部とか潤滑剤だ。
 DCモーターの特徴として、低速回転時のトルクが非常に大きいことが挙げられる。特に直巻モーターの場合、この傾向が著しいが回転速度が0の時のトルクが最大で、速度が上がるにしたがって急速に低下する。つまり低速回転に大きなトルクを得たいときに有利なモーターなのである。
 サーボモーターはアクチュエータとして使われるわけだから回転速度はそれ程大きなものは要求されない。それどころか回転速度が大きければギアで回転速度を落とす必要がある。強度の高いギアを製造するのは簡単なことではない。硬く焼き入れされた素材を歯形に削らなければならないからである。その点、低速から大きなトルクを発揮できるDCモーターは、使うにしてもギアの使用が最小限で済み、用いらなくても済む場合もあって、サーボモーターには向いていると言えるわけである。
 DCモーターの歴史は古くても、サーボ機構に組み込むとなると話は少々違ってくる。ただしこの場合は自動制御機構を含めてということだ。今回の規制対象となっているSSPS-105RCモデル用超大型サーボの要目を見ても、制御機構のことは何も書かれていない。
 制御は外部のコントローラの方で行うということで、回転位置のセンサーぐらいはあるだろう。シンクロか、ポテンショメータが、あるいはエンコーダかは分からないが「5本の内3本は信号線」とか「5kΩのボリュームによって制御します。基盤に5vのレギュレータが搭載されていますので6Vから12Vの範囲で動作いたします。」というカタログ文言からすると使われているセンサーはポテンショメータではないだろうか。 おそらく回転位置のセンサーしかないのではないだろうか。本来なら比例、積分、微分信号をセンサーから得てPID制御をするところだろうが、そのような機能はこのサーボモータには含まれていないようだ。 そのPID制御ですらも、今日、多くの制御系の基本に違いないのだが、古典的制御と言われる。まあPID制御も一般化した制御技術なのである。
 ラジコン用とするなら、そのような複雑な、とも言えないが、そのような複雑な制御系が無くても、模型側そのものの安定性やオペレーターの慣れで対応できるから、アクチュエータとしての機能だけのサーボモーターで十分である。これがある程度自律が必要なドローンなどであれば、別に制御回路を搭載すると思われる。 そう考えると、結局、この利根川精機製のサーボモーターは、大きなトルクに耐えられる筐体やギアと、ポテンショメータだけの構成でしかないのでは無いのか。ポテンショメータも精度を上げようと考えれば酸化被膜などを用いることも考えられるが、そこまでの精度を必要ともしないだろう。それをするならエンコーダを組み込んでデジタル化した方が、今の時代なら精度を出すことが出来る。
 要するに、このSSPS-105RCモデル用超大型サーボは単にトルクが大きく、密閉性が高いことで粉塵などに対する耐性があるだけのことではないのだろうか。 このサーボモーターに、規制を必要とするような新技術は、見た通り、どう見ても考え難い。確かにベアリングであるとか、シール材などの部品に高い技術のものがあるかもしれないが、それを取り出してリエンジニアリングを行って同様の製品を作ることは、そうそう簡単なことではない。

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