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潜水艦「そうりゅう」が衝突 浮上訓練必須 音波が逃げる 聞き違え ソナーの限界 潜望鏡の遠近感 スクリュー後流と舵

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 潜水艦「そうりゅう」が浮上時に鉱石運搬船「Ocean Artemis」と衝突
 現在の潜水艦は、基本的に作戦中浮上することはない
 浮上訓練は必須、周囲の艦船との安全な距離を考慮しても、まったく艦船や航空機が居ない所を探していては訓練にならない。
 多くの音波が、下向きに向く前に海面から空中に逃げる可能性
 全く聞こえなかったということは考えにくい
 他の船舶の音との聞き間違えたか
 水中聴音機の能力の限界と見るべき
 望遠で見ると近いものも遠いものも、同じところにあるように見える。
 スクリューからの後流を舵に当てることができなく旋回に不利

〇「そうりゅう」と「Ocean Artemis」が衝突

 8日午前中に高知沖で、海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が浮上中に鉱石運搬船「Ocean Artemis」と衝突したニュースが流れた。
 まだ調査中で、調査が進むにつれ情報が出て来るとは思うが現在のところ不明な点が多い。
 現在、報道で伝えられているところでは、浮上に当たり、潜望鏡を用い周囲を確認したところ至近距離に船舶を認め、避けきれずに衝突したということである。
 なぜ近傍の船舶に気が付かなかったのだろうか。もちろん私は航行中の潜水艦に乗ったことがないので、分からないことが多いのであるが、作戦行動中の潜水艦は、まず水中聴音機(パッシブ・ソナー)で周囲に艦船が居ないことを確認した上で、潜望鏡深度まで浮上し、電波探知器でレーダー電波などが検知できないことを確認し、潜望鏡で周囲と上空を確認した後、その上で一瞬、レーダーで航空機や艦船が居ないことを確認してから浮上したり、あるいは潜望鏡深度のままシュノーケルを上げて機関を起動して電池の充電を行ったりする。もちろん、すべてがクリアされなければ浮上は中止である。
 そうりゅう型には、水中探信儀(アクティブ・ソナー)はないが、装備している潜水艦でも音を発しての探知はしないのが原則である。なぜなら潜水艦の行動は秘匿されるべき情報だからだ。
 今回の航海は、3年ごとの定期修理を終えて、任務に就くための訓練中のものだったようだ。現在の潜水艦は、基本的に作戦中浮上することはないと言われる。通常型の潜水艦であってもシュノーケル航行までである。
 したがって作戦行動中に浮上するのは緊急でやむを得ない場合に限られる。とは言っても、潜航した潜水艦は、仮に原子力潜水艦であっても、沈没や撃沈されない限りは、いずれ浮上しないわけには行かないから、訓練は必須である。
 つまり、任務に就くための訓練であれば、何度も潜航と浮上を繰り返し訓練を積む筈である。訓練であるから、もちろん周囲の艦船との安全な距離を考慮するのは間違いないが、まったく艦船や航空機が居ない所といっても、それを厳格に実践しては訓練にならない。様々な訓練スケジュールがあるから、全く航路から離れたところまで行くことも限界がある。従って確認の手順を踏むにしても、十分な距離があれば、想定上、居ないものとして浮上訓練を行うだろう。

〇衝突時の状況

 衝突した海域は、足摺岬から南よりやや南南東寄り約50kmであり、時刻は8日の1058(日本時刻)である。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020901147&g=soc&p=20210209ax06S&rel=pv
 AISの状況をみると、沿岸から数キロ程度の所ほどではないが、数キロから十数キロ間隔で多数の船舶が確認できる。
https://www.bouken-asobi.com/map_ais.html
 まあ、AISを見る限り日本沿岸はどこも船が密集したような状況であるし、太平洋全体を見回しても、金魚すくいの水盆の中の金魚ように船だらけである。空間があるのはハワイとアラスカの真ん中位とガラパゴス辺りからタヒチ辺り位のものだ。
 8日の天候は、西高東低の冬型で等圧線が南北に走っているものの、等圧線の間隔は広く、それ程風速はないだろう。
https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/wxchart/quickdaily.html?show=20210208
 高知県の天気は晴れで最高気温は摂氏16.1度であった。おそらく海上も似たような状況であったろう。数日を通して雨は降っていない。
https://weather.goo.ne.jp/past/893/
 海水温は摂氏20から21度である。
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/sst_HQ.html
 位置が微妙ではあるが、日本海流の2ノットを超える流れがあるが、50km離れているので1ノットぐらいかもしれない。いずれにせよ日本海流の流れがあり、それもあって海水温も高いと思われる。
http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/current_HQ.html

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