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自衛隊調達巡り(179)電子戦基礎情報? 宇宙気象の影響に関する(メカニズム、人間活動影響、予報、関係機関等、及び陸自関連事項)調査研究(その1)

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入札日:令和3年10月28日
陸上自衛隊中央会計隊
陸上自衛隊における宇宙気象の影響に関する(メカニズム、人間活動への影響、予報、関係機関等、及び陸自関連事項)調査研究(その1)
https://www.mod.go.jp/gsdf/dc/cfin/html/img/file131.pdf

 宇宙気象への影響を検討するのだそうだ。
 調査の内容として挙げているのは、宇宙気象のメカニズム、宇宙気象の人間活動への影響、現在行われている宇宙気象予報、国際機関及び各国の宇宙気象関係機関及び大学、並びにその他、陸上自衛隊に関連する宇宙気象に必要な事項としている。
 インターネット、書籍等文献により調査するとあるが、それなら調達するまでの話ではないのではないだろうか。インターネットなら、私は空自に居たので空自の話をするが、I端末というのがあって、セキュリティ上、他の端末とは繋がっていないものの、各部隊でインターネットを閲覧できた。

 書籍なら、この仕様書を作成した陸幕は市ヶ谷にあるのだから、市ヶ谷駐屯地にある国会図書館支部図書館に閲覧請求してもよいし、人出が足りないなら司書に調査依頼すれば良いことだろう。
 これだけなら公費を使うまでも無く十分に実施できる。そもそも宇宙気象予報については国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)で行っているから、教えを請いに行けば良い。最寄り駅がJR中央線の武蔵小金井駅だから、JR市ヶ谷駅からなら、途中で各駅停車から乗り換えにはなるが1本で行ける。武蔵小金井から歩いて15分ぐらいだし、バス料金を含めても、それ程旅費も高くはない。
 以上の手段だけで、かなり纏まった調査が可能だ。さらに言えば立川にある国立極地研究所にも行けばよい。オーロラなど高層気象についての研究についての蓄積がかなりある。こちらはJR立川駅から多摩モノレールに乗れば良いのである。

 調査というのは、人任せでは分からないものだ。自らに知識体系を築かないと、その価値を評価できない。業者に依頼するなら、自らの知識基盤をある程度作ってからでなければ報告を見ても意味不明にしかならない。
 しかし、そもそも陸上自衛隊は何の為に、宇宙気象への影響を検討するのだろう。タイトルは「宇宙気象の影響」なのだが、一般的要求事項にあるのは「宇宙気象への影響」なのだ。陸上自衛隊は何か影響を与えるようなことをするとでもいうのだろうか。地球の磁場に影響を与えようとするなら、宇宙で核爆発でも行わないと無理だろう。核武装論者の私などは、いよいよ日本も核兵器開発を始めるのかと期待してしまう。
 それは政治的状況から考え難いからタイトルの方が近いのだろう。確かに無線通信に影響を与えるようなことはあるし、電線に誘導電流が生じて被害が出たということもある。宇宙気象から影響を受けることは確かにある。だが、それはマルコーニやフェデッセン、あるいはヘルツの時代からの課題であり、今更何でという気もする。

 宇宙気象というのは、宇宙状況認識(SSA)の一分野である。宇宙状況認識なら、航空自衛隊の宇宙作戦隊が行うことになっている。もっとも宇宙気象予報については先述した国立研究開発法人情報通信研究機構が行っているから、そちらから情報を得るのだろう。
 したがって陸上自衛隊が、わざわざ観測にまで足を踏み込むとも思えない。そうであるなら、陸上自衛隊自身が受ける影響を対象とするのだろう。
 陸上自衛隊も無線機を始め、電子機器を前身の保安隊や警察予備隊の時代から使って来た。とっくにデリンジャー現象などの影響なら経験しているだろう。しかも電波通信に大きな障害が出たという話はあまり聞かない。

 私も仕事で短波無線通信をやったが、あれは最初から空電が多く、そもそも普段から聞きずらいものだ。それ以外の無線機やレーダーなどは、最初から影響を受け難くできている。短波だけは電離層を利用するから影響は大きいかもしれないが、それより波長の長いものは、そもそも見通し線を引くことが出来る範囲で使用するから、宇宙気象による影響というのは受けた記憶がない。おそらくノイズなどの成分は入らないか、フィルタでアースに落ちるのだろう。 
 歴史上では、京都辺りでオーロラの光で空が赤くなったことがあるという。藤原定家が書き残し、それが現代の研究でも裏付けられたそうである。
 19世紀に電気通信や送電が行われるようになって、長く引いた電線の端末で火花が散るようなこともあったようだ。これと似た現象は20世紀に行われた超高高度核爆発の際に確認され電磁パルスとして注目された。

 これらの現象がどの程度の影響を及ぼすのかよくわかっていない。今日のデジタルネットワークの時代になってからの話は少ないようだ。
 むしろ電力が落雷などによって停電することの方が影響が多いし、あるいは処理すべきデータ量の増加とかサイバー攻撃の方が影響が出ているようである。
 この仕様書等の中に文言としては出てこないが電磁パルス兵器による攻撃も眼中にはあるのかもしれない。確かに機序的には類似した現象である。宇宙気象を調査することでその足掛かりになる可能性はある。もちろん自然現象としての磁気嵐などの現象も頻度は低いとしても、電子システムに影響を与えるようなレベルのものが起きないとも言い切れない。

 もっとも、そんなことなら直接、防衛装備庁の研究依頼要望があるのだから、依頼を出したらよいと思う。私が現役の時代には、まだ防衛技術研究本部と呼んでいたが、そのような要望調査の文書が回って来ていた。
 あるいは、この調達の要求元は陸幕なのだから年度事業計画に盛り込んで、陸上自衛隊の各部隊に研究させてもよい。さらに陸上自衛隊そのものに研究部門があるし、職種学校でも研究をするだろう。
 以上のように5W1Hではないが、何のために、何故、この時期に、陸幕が、公費で調達してまで調査するのか余計、分からなくなるのである。

 はっきり言って、調査内容を見る限り個人でも時間さえかければ分かることだし、先に述べたとおりこれぐらいのことを調べる仕組みは政府にもあるのである。
 タイトルの後ろには(その1)とあるから、通年で更に調査を研究を続けるということだろう。ならばもっと上位の計画があるのだろうか。
 防衛白書の第1章わが国自身の防衛体制、第3節宇宙・サイバー・電磁波の領域の対応、1宇宙領域での対応、2防衛省・自衛隊の取組(1)宇宙状況監視(SSA)の強化の項(240頁)に「宇宙空間の電磁的環境情報などに関しJAXAに加えて、宇宙天気情報の活用について情報通信研究機構(National Institute of Information and Communications TechnologyNICT)との連携を進めている。」と書いている。

 防衛白書に記載されているということは、防衛省として行う計画であるし、そこには既に情報通信研究機構との連携が謳われている。ならば、最初からNICTと連携すれば良いことで民間企業に調達を出すまでのことはない。
 経済産業省国立研究開発法人審議会宇宙航空研究開発機構部会の宇宙開発戦略本部の宇宙基本計画工程表(令和2年度改訂)には(1)宇宙安全保障の確保、8宇宙状況把握の項には「宇宙天気情報の共有・活用に関する連携[総務省、防衛省等]」として線引きされている。
https://www.meti.go.jp/shingikai/kempatsushin/uchu_koku/pdf/015_s04_05.pdf
 ということは、既に政府としての計画に上がっているということだ。

 このように見ると、流れとしては政府や防衛省の計画に沿っての事ではあるが、陸幕としても主体的に推進したいということなのだろう。おそらく独自に整備したいことがあるのだろう。
 陸上自衛隊は、最近、電子戦分野に乗り出している。

陸自電子戦部隊が発足 電波で敵通信妨害 健軍駐屯地 熊本日日新聞 | 2021年03月30日 09:47
https://kumanichi.com/articles/170796

 この記事の写真の車両を見ると、OD色の車両ではあるが、どうも陸自らしくない車両だ。イメージの話だが陸自の車両はもっと締まった感じの車両が多い。このようなシェルターを載せた車両であっても荷台に載せて固定するものが多い。このようにふっくらとした感じの大型のシェルターの車両は空自で良く見られる。
 最近は電子システムが増えたから、陸自でも箱型の車両が増えたが、やはり陸自の場合は山野を走り回るし、戦車にしても野砲にしても、なるべく絞って作られている。この写真のような車両は偽装網の装着に結構苦労するのである。車高が高いので支柱を立てるのが大変なのだ。直接被せることもあるが、当然、偽装網の性能は落ちるし、車両を移動させる都度、付外しが必要になる。こういう車両を導入すること自体、陸自が新たな方向へ活動を始めているということだろう。
 電子戦については空自や海自の方が従来進んでいたと思う。もちろん陸自も通信情報などは収集してきたが、電子戦というより情報活動の一環で、エリントよりはコミント寄りであった。

 自然の電波状況などは、ベース情報として重要である。特に近年、電波もスペクトラム拡散など、探知し難いものが増えてきている。かつては人工的な電波は明らかに区別がついたが今後は自然の電波に紛れるようになるだろう。宇宙からの電波の状況を把握する必要性も高まって来るのだろう。
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