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宣伝広告ではないものに隠した宣伝 広告と思わせず、広告意図非明示 解釈を相手に委ねる。否定的表現を活用 警戒感緩和

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 この言語というものは人類にとって極めて古い発明である。意図して作ったものではないから発見なのかも知れないが、人間の脳が作ったものだ。特に話し言葉は発祥の起源が分からないぐらい古い。説明したように伝達能力の極めて優れたものが、分からないぐらい古くからあったことは驚異的なことである。ちなみにこの地球上で文法を有する言語と言えるものを有する生物は我々ホモサピエンスと鳥類のシジュウカラだけだそうだ。数十万種以上の生物種の中で、しかも鳥類は恐竜の一種だそうだから、遠く1億年以上前に離れた、僅か2つの種だけが言語を用いるのである。
 そのように優れた伝達手段である言語ではあるが、使い方次第でその伝達効果は更に増強されるのである。

〇北陸大学の研究

言語については、古くから研究されている。修辞学などは古代ギリシャにおいて既にあったようである。しかし科学と言える音韻学や言語学などは19世紀からのものであるが、現在では様々な研究がなされている。
 この程、数多くある語句に関する研究の中から、興味深いものを見つけたので紹介したい。

見出し文で商用的にはたらく語句―雑誌記事見出しの場合―北陸大学紀要 第50号 2020
https://www.hokuriku-u.ac.jp/about/campus/libraryDATA/kiyo50/iec1.pdf

 この研究が着目しているのは、一件、宣伝広告ではないものに隠された広告の宣伝効果についてである。雑誌の記事見出しは、記事本文の内容の概要を示し、提示することで関心を持たせたり、理解を促進し易くするのが本来の目的である。
しかし、記事見出し文には実際には広告の意図が隠されていることがあると、この研究では言うのである。読者は、それをあくまでも記事の見出しとして読む。広告であるという意識を生起させることなく読者を広告へ誘導できるわけである。
当然のことながら、記事見出しは、記事見出しとして記述されている。したがって広告としての意図は非明示的に示される。明示されないので、見出しをどう解釈するかは読者自身に委ねられている。
 この研究では「ご存知」という言葉が紹介されている。そこで、それに連なる言葉を知らない読者は、周囲の人々が既に知っていると記事見出しに知らされ、不知を埋めるためにウェブ検索や、雑誌を購入するといった行動へ誘導されるというのである。
もう一つ「~ないと損」という言葉を本研究は紹介している。読者に対して、「~ないと」不利益な出来事が生起したり、反対に、することで読者が得をするといった意識を「~ないと損」によって、記事見出しは持たせるわけである。記事見出しが、あえて「~ないと損」という否定的な表現を用いるのは、最初から「~すると得」と記事見出しに記述すると、広告であることを読者に見抜かれてしまうからと、この研究は説明している。
読者に対してある特定の主張を正面から行うと、読者に警戒感を誘ってしまうが、ここで取り上げた「ご存知」や「~ないと損」のように広告の意図を明示的に示さずに読者を誘導することで、本来の表向きの目的とは別に記事見出しを用いて読者の意図を操作し得るわけである。

〇注目されるパブリック・ディプロマシー

冒頭に私は「戦争とは暴力を用いて相手に我の意思を強要することである」と看破したのはクラウゼビッツだと書いたが、物理的な暴力など用いらずとも意思を誘導できるならば、これほど敵を屈服させるのにコストの掛からない手段はない。
 別の記事で、脅威は人々の議論の過程において形成されて行くことを述べた。

脅威と中華人民解放軍を考えるー熟慮必要 脅威頻出 認識は受け手側で変化 対日工作展開 多国間交渉介入不可避ー
https://sucanku-mili.club/0000034/887/

 我が脅威であると認識されれば、敵は我の攻撃に強い抵抗を示す。しかし、我の意図が脅威であると敵が思わなければ、敵が我の意図を自ら積極的に受け入れるかもしれない。

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