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入札日:令和3年8月25日
航空自衛隊松島基地
燃料タンク内部点検(底板、側板及び溶接線状況、塗膜状況、計装機器外観並びにその他機器及びタンククリーニング、漏洩気密検査)
https://www.mod.go.jp/asdf/matsushima/tyotatu/nyusatu/images/sei1-siyo.pdf
今回の実施項目と対象タンクのは次のとおりだ。
●内部点検等(底板、側板及び溶接線状況、塗膜状況、計装機器外観並びにその他機器)及びタンククリーニング
・Jet-A1:4,000KL覆土式燃料タンク
●気相部、液相部漏洩気密検査(微加圧法)
・軽油:1. 9 KL通信局舎地下タンク、4KL豊里中継所地下タンク、4KL上品山中継所地下タンク、6KL飛行場電源室地下タンク、2 0 KL地燃スタンド地下タンク、
・ガソリン:20KL地燃スタンド地下タンク
・重油:50KL437格納庫地下タンク、140KL受電所地下タンク
覆土式のタンクについては、デットストックも含め、すべて中身を空にして行う作業で、かなり大規模なようで年度内を掛けて実施するようである。内部の塗装をサンドブラストで剥がし、板厚測定や磁粉探傷、真空漏洩、浸透探傷、不等沈下測定などが行われる。パッキン類の交換も行う。その後、エポキシ塗料を3度塗りするようだ。
地下タンク類については、微加圧法によるとある。貯蔵燃料の残量を実施する方法だ。詳しくは下で説明した。
覆土式タンクの図面から容積を求めると9,253㎥となる。グーグルマップで見ると、これが3基ある。今回はその内の1基を行うのだろう。それにしても貯油量は半分しかないようだ。
この調達内容をみて、あれっと思ったのは覆土式タンクの中身がJet-A1であることだ。私が現役時代には、航空自衛隊が使用していたのは殆どがJP-4か北部航空方面隊ではJP-4Aであった。
航空自衛隊も航空燃料をJP-4系からJetA系に切り替えたようだ。下の記事では4年ほど前からと書いてあるから2015年ぐらいから進んでいたらしい。確か燃料を変えた場合の排ガスの状況の調査の通知文書が回覧されていたし、切り替える動きは耳にはしていたが、こんなに早く切り替わるとは知らなかった。
ブルーインパルスファンネット2019年7月19日 ·
https://www.facebook.com/blueimpulsefan.net/posts/2031524266952405
米軍などは海軍がJP-5を使用する他は、JP-8に統一している。インタオペラビリティを考えればその方が良いようにも思うが、民間機や陸上自衛隊がJetA-1を用いているから、そちらに合わせたのだろう。米軍は航空機だけではなく、車両や艦船、レシプロエンジンにまで全部統一する考えのようだ。そうは言ってもバイオ燃料などの採用の話もある。まあぶっちゃけ、ガスタービンは何を使っても大抵動くのだが。
上に書いたように日本の場合、さまざまな油種に分かれる。航空基地だからジェット燃料がかけ離れて多いのは当然として、軽油のタンクが多い。これは小型の発電機に多い。発電機には高速回転が良いから高速ディーゼルだろう。あとは車両だ。重油は大型の発電機用の中速ディーゼルとかボイラーだろう。あとガソリンは車両と、実はこれも基地では沢山使うのだが芝刈り機とか草払い機だ。携帯用の発電機にも使う。
上品山中継所をグーグルマップで見てみたが、それらしいものは見当たらない。近くには国土交通省航空路監視レーダーがある。尾根近くにあると思う。標高は標高465.7mだそうだ。豊里中継所も探してみたが同様に分からない。箟岳東デジタルテレビ中継局の近くらしい。
通常は、燃料施設には流出防止の側溝や溜枡、消火栓などがあり、アクセスする道路もあるから目立つと思うのだが、よく分からない。危険物だから消防の点検も受けているだろう。既存の施設でなく、臨時に中継地点を設ける場合などはその都度許可を得ることになるし、24時間監視が必要になる。
おそらく中継所というからは、中継用の空中線があるのだろう。だとすればアンテナを探せばよいのかもしれないが、山頂というのは沢山アンテナがあるもので、なかなか特徴がないと分からない。上品山には確かにUHF対空無線用のロケットアンテナのある鉄塔があるし、豊里の方にはマイクロ回線用のパラボラアンテナをつけた鉄塔がある。ただアンテナの向きが少し松島基地と方向が異なるから本当のところは分からない。
今回の調達が、東日本大震災と関わりがあるかどうかは分からない。おそらく定期的なものだろうが、覆土式タンクの検査は大規模だがら、もしかしたら関係があるのかもしれない。
下の資料によれば燃料施設については、損傷確認及び応急復旧支援という文言は見えるが、大きな被害は無かったようだ。
航空自衛隊松島基地災害復旧工事の支援について
https://ssl.bsk-z.or.jp/kakusyu/pdf/28-11-1boueisyutokukenkyu.pdf
有名なところでF-2支援戦闘機が大量に津波に流された話があったし、施設なども海水に浸かったことは話題になったが、燃料流出などの話は聞かなかった。私は、海水に浸かった小銃の処置に関わったが、それは下の中で触れたとおりだ。
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