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(画像はイメージ)
令和3年(2021年)1月22日に核兵器禁止条約が発効し、締約国間においては核兵器の存在自体が違法化された。
核戦力がアンダーグラウンド化すれば不信感が募るばかりである。
これにより互いに戦力の配備状況が分からなくなり、信頼醸成措置が成り立たなくなる。
現在以上に核戦力は軍事機密の中に隠れることにならざるを得ない。
核の信頼醸成が成り立たなくなれば、先制核攻撃の誘惑が強くなる。
先制核攻撃が成功したならば、違法性を主張する国は消滅するだろう。
核の非公然化により、さらなる迅速な意思決定が要求され、核戦力を始め、全ての戦力の待機維持を最高度にすることを強いられることになる。
そのような状況になれば各国の動員体制は常に戦時並みとならざるを得ず、軍事力の自動化を進めざるを得ないなるだろう。
核兵器の非合法非公然化は、かなり緊張した状況を生み出しそうである。
核兵器非合法時代に備えることは各国とも急務であろう。
〇核兵器が違法化
令和3年(2021年)1月22日に核兵器禁止条約が発効した。この発効によって締約国間においては核兵器の存在自体が違法化された。もちろん現実には世界の主要国や核保有国が調印しておらず、現状では実効性を有していない。核兵器ほどに戦争を抑止する有力な手段が他にはないことから、おそらくこれらの主要国等を巻き込むことは、近い将来はないと考えられるが、万が一この条約が有効性を持つに至った状況について考えてみた。
〇核戦力の不透明化
核兵器禁止条約の最大の欠陥は、条約の履行を検証する有効な手段を持たないことだろう。本条約の締約国は自主的に履行状況を国連事務総長に報告することとなっている。この報告に基づいて法的権限のある国際機関を指定して検証することにはなっているものの、現状の国際社会において強制管轄権を持つ国際機関はなく、唯一、強制力を担保できるのは、核保有国を常任理事国としている安全保障理事会しかない。
本条約の締約国はIAEAと保障措置協定を締結することになっているが、あくまでも軍事利用の核物質については対象外である。
条約により非合法核戦力が地下に潜むことになる。
〇信頼醸成が困難
核兵器禁止条約が全国家を規制するようになり、核兵器の存在そのものが違法化されれば、表向き核兵器を持つことを表明する国はなくなるだろう。しかし、本当に履行状況を確認する手段は実力で占領して調査するしかない。現在以上に核戦力は軍事機密の中に隠れることにならざるを得ない。互いに戦力の配備状況が分かるからこそ、信頼醸成措置が成り立つ。核戦力がアンダーグラウンド化すれば不信感が募るばかりである。
〇緊張が増し偶発核戦争をもたらす。
核の信頼醸成が成り立たなくなれば、先制核攻撃の誘惑が強くなる。先制核攻撃が成功したならば、違法性を主張する国は消滅するだろう。現在以上に核の終末時計の針は進まざるを得ない。
今後、主要国間に核兵器禁止条約が広まると、アンダーグラウンド化した核に常に世界は脅える事態にならざるを得ないだろう。
〇硬直的な指揮系統
現状においても戦略核戦力の指揮統制は国家の最高権限と直結し、速やか且つ確実に核戦争を遂行する組織となっている。敵の謀略から核戦争の実行を確実にするためには厳格なプロシージャに基づく手続きが行われる。
核の非公然化により、さらなる迅速な意思決定が要求され、核戦力を始め、全ての戦力の待機維持を最高度にすることを強いられることになる。
おそらく、そのような状況になれば各国の動員体制は常に戦時並みとならざるを得ず、軍事力の自動化を進めざるを得ないなるだろう。
意思決定も即断即決が要求され、もはや人の判断では補いきれなくなる。様々なセンサーからの情報を瞬時に判断するAIによる指揮統制が必要になるのではないだろうか。
核兵器の非合法非公然化は、かなり緊張した状況を生み出しそうである。核兵器非合法時代に備えることは各国とも急務であろう。
核兵器禁止条約https://en.wikisource.org/wiki/Treaty_on_the_Prohibition_of_Nuclear_Weapons