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注目される東沙諸島 航空基地で米軍阻止 SSBNを守る要塞 潜水艦から兵站を守る大陸側の浅海域

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〇東沙の攻防に関わる特徴


 防衛研究所の『NIDSコメンタリー』では、武力戦を伴わずに奪取することを中共が考えていると主張するものの、棚から牡丹餅のような話がそうそう起こるものでもない。国府側も当然、東沙諸島の価値を知っており、これを自ら放棄するように仕向けるのはむしろ難しいだろう。「戦わずして勝つ」が「孫子」の言う通り最善であろうと、全体の戦略に呼応できなければ意味はないから、武力戦を前提に考えておく必要があろう。
 とは言え、一応平時である現状では、コーストガードである海洋委員会海岸巡防署東沙分署・南沙分署の要員等200人程が主力で、国府軍の要員は気象観測要員と、航空機の管制、メンテナンス要員程度しかおらず、決して守りは強固ではない。
 周囲に陸地がなく、絶海の孤島であるこの島を維持するのは容易な事ではないのは確かだろう。日本で言えば硫黄島や大東島ですら300km程度に小笠原村や那覇市が存在している。400km以上も周囲に陸地がないのは南鳥島ぐらいのものである
 いくら小島とは言っても東沙島だけで1.74㎢に及ぶ島であり、武力攻撃から守るには、それなりの戦力が必要になる。殆ど平坦で、防衛拠点となるような硬固な地形ではないから、要塞化しなければ砲爆撃で一掃されてしまう。奪取は容易かもしれないが、維持が大変なことになる。
 東沙島そのものが環礁であるが、周囲に大きな環礁があり、艦艇の泊地には使えそうである。また西には大きな暗礁があり、これを埋め立てれば、南部に作った埋め立て拠点と同様に、軍事基地を作り得る。
 東沙諸島を維持するため、大量の物資を送る必要があるが、大規模な埋め立て地ができれば、物資の備蓄はできそうである。あるいは環礁に物資を搭載した貨物船を停泊させ倉庫とすることも一時的にはあり得るだろう。
 東沙諸島での作戦を行うためには大量の兵站物資が必要になるので、その攻防が成否を握ることになる。
 中共側からの方が若干近いが、空海での輸送を巡る争いとなり、どうやって長い海路を維持するかに掛かっている。
 空輸であれば、島を確保している方が飛行場を使えるし、対空火器も配備できるので有利にはなるが、ともあれ航空優勢を確保できるかどうかだろう。
 着上陸作戦で東沙島を奪取する際、空輸するのであれば空挺堡が必要となるだろうが、そもそも小さな島であるから確保は難しい。距離から大規模なヘリボーンも難しいだろうから、海からの上陸との提携がどうしても必要ではないかと思う。
 とりあえず空挺で押さえるのは、そのようなランディングゾーンを確保できる空地への敵の接近を阻止する陣地を確保することである。そうすれば物資投下が可能であろう。
 周囲の水深は舟艇の接近には問題なさそうだ。入り江となっている礁湖が使えればそれに越したことはないが、当初から確保するのは難しいかもしれないし、水深も不明である。いずれにせよサンゴ礁であるため沖合から舟艇に移らざるを得ない。
 島が平坦であるため、守備側も侵攻側も直射火器の照準から身を隠すところは僅かであり、火力制圧下でなければ地上の行動も島への接近も困難だと思われる。敵に重火器があれば、物資の集積は難しいだろう。
 島を確保するのは要塞化しない限り、困難ではないだろうか。火力制圧下で生存できることが絶対条件だ。
 また、周囲の制空制海権を確保しなければ兵站確保が不可能であるから、上陸しても維持し続けるのは難しい。
 東沙諸島の付近の海底地形は、ちょうど大陸棚の端に位置する崖に当たる。中共側の水深は浅く、潜水艦の行動は難しい。常に座礁を気にしての航行になるし、潜望鏡深度では、上空から船体そのもの、あるいは巻き上げた土砂で存在が暴露しかねない。浅海域はソナーも使いにくい。潜水艦自身も発見されないかもしれないが、逆に周囲の状況も分からない。結局、潜望鏡や逆探知アンテナを海面上に出して航行することになる。このようなことから潜水艦の危険を感じずに船舶輸送が可能だと思われる。実際に大東亜戦争末期に制海権を奪われた日本は、米軍の潜水艦を避けて沿岸の浅瀬を航行している。南シナ海の制海権や航空優勢が中共側にあるから米軍や国府軍側の航空攻撃の危険も避けられ中共側に輸送の利はある。台湾側の水深は深く潜水艦の行動を常に警戒しなければならなくなる。
 もし、中共側の海上輸送を阻止するなら、潜水艦よりも機雷の方が使い易いかもしれない。浅海域でも潜航可能な機雷敷設用AUVがあると役立つかもしれない。くまの型FFMに搭載する「簡易型機雷敷設装置」をJMUディフェンスシステムズが防衛省に納入しているが、こういうものを搭載するAUVができれば浅海域の戦闘には役立つだろう。
 以上の点から考えれば、中共側には大陸に航空基地が多くレーダー覆域下でもあり航空優勢を中共がほぼ確保するだろう。中共は潜水艦の妨害も受けずに兵站を維持でき、国府側は航空優勢下での機雷の投下も難しいだろう。早々に台湾側との連絡は途絶える可能性が高い。これを覆すには、南シナ海の制海権を如何に維持するかに掛かってくると思われる。
また、どちらが支配するにしても、要塞化しなければならない。単に維持しているだけなら、無理に上陸した敵を除去しなくても、兵站を抑えればよいが、東沙に対艦ミサイルや弾道ミサイルを持ち込まれれば、悠長なことは言っていられなくなる。当然、取り合い合戦となるだろう。

日本海洋株式会社 HP

JMUディフェンスシステムズ株式会社 HP

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