自衛隊調達巡り（１４７）なぜこの数量？ 感染防護服 289個 アゼアス・タイベックソフトウェアⅡ型Ｍサイズ又は同等以上
入札日：令和３年８月２０日
陸上自衛隊中央会計隊
感染防護服 289個 アゼアス・タイベックソフトウェアⅡ型Ｍサイズ又は同等以上
https://www.mod.go.jp/gsdf/dc/cfin/html/img/E041-03.08.05.pdf
新型コロナ禍の昨今、感染防護服の調達だけなら、当然すぎる話であるが、この調達の要求元は陸自の警務隊本部である。
警務隊本部が段ボール・パーテーションを調達したことを（１２０）で紹介した。
（１２０）では、陸上自衛隊の警務隊は、全国の駐屯地に配置されて、その数は１６２か所分であるので、パーテーションの調達数が１７０個であるというのは、各所に配分する数量であろうと推測した。
さて、今回の２８９個とはどのような数量だろうか。１６２の倍数ではない。入札書などには２８９ＥＡとあるが、このＥＡとは個のことである。要求には同等以上とあるとおり、必ずしもアゼアスネット タイベック(r)ソフトウェア Ⅱ型 Mとは限らないが、サイトを見ると入数は１着だから、２８９着なのだろう。なお大箱入数は１００着となっている。
アゼアスネット タイベック(r)ソフトウェア Ⅱ型 M
http://azearth.net/shop/g/gA211002-0002/
方面警務隊は５個だから、割ると57.8である。中央警務隊などがあるから、その分があるにしても少し余りが多い。地区警務隊は１８個だから割ると16.06、保安警務中隊も加えると２３個だから12.57だ。本来、使い切りで消耗品であるから、使うときは、それなりの数量を使用するだろうが、普段使う物でもない。
急な使用に備えて１６２個配分し、残り１２７個はどこかで集中保管するのかもしれない。
性能などについては、下が詳しいが、素材はポリエステルであるし、長期保管については問題なさそうだ。
【デュポン/アゼアス】 タイベックソフトウェア II 型
https://www.anzen.ne.jp/product-005002.html
しかしながら感染した被疑者を取り扱うのに防護服まで必要なのだろうか。たしかに感染者が隔離されているエリアなどではゾーンニングするだろうが、それは明らかに感染者と確認されている場合である。被疑者であっても、感染患者で隔離や治療が必要となれば隔離病棟に入院ということになる。警務隊では手が負えないだろうし、感染が広がりかねないから警務隊の手から離れるだろう。司法手続きも治療を優先とせざるを得ない。
であるなら、むしろ保安職務に用いるのかもしれない。交通統制が保安職務に含まれているから、汚染地域での交通統制にでも当たるのだろうか。それならまとまった数が必要かもしれない。確かに鳥インフルエンザの際に防疫措置で警務隊が派遣されている。
しかし、それなら他の部隊も、それなりの数を調達する筈だ。どうも良くわからない。
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